「かかし」です。
厳しい経済指標が相次ぎます。ところが、今日は過去最悪の景況感を示す日銀短観にもめげず、日経平均株価は242円の大幅高でした。
この株式市場の強さの背景には在庫の減少があると見ています。
なぜ在庫なのでしょう?株式市場が在庫の増加をとても嫌がるのは、需給バランスの悪化により、将来の減産強化や製品市況の悪化を示唆するためです。
したがって、在庫の減少は将来の減産緩和や製品市況の回復の可能性を示すことになるわけです。
実に単純明快なメカニズムなのですが、在庫と株価の連動性は高く、常に注目しておく必要があります。
その在庫が減少を始めました。2月の鉱工業生産者在庫は、季節調整済みの前月比で4.2%、原指数の前年同月比でみると1.7%の減少となりました。
話はここで終りません。この統計は経済産業省の発表した数量ベースの数字です。そこで、日銀の価格データを使って、金額ベースの在庫の動きをみると、減少が一段と鮮明です。理由は原材料価格が大幅に低下しているからです。
数量ベースと金額ベースの在庫の動きを図で表してみました。金額ベースの下落幅が大きいことが読み取れます。
月曜日の日経平均株価こそ、米国市場との連動で大幅に下げましたが、それでも3月10日の7021.28円を直近の底値として着実な上昇ペースを維持しており、約19%ほど高い水準に達しています。在庫の動向からみる限り、堅調な株価動向が維持されると見ています。
