不動産ポータルサイトを運営するネクスト(2120)の決算説明会が実施されました。
今2010年3月期は前期の20%営業減益から一転、71%営業増益を計画しています。前期は先行投資期間と位置づけ、広告宣伝費や人件費を大幅に積み増し拡大策をとった結果、営業減益となりましたが、今期は前期の投資効果が表れること、また、売上高の伸びに伴い広告宣伝費の負担が軽減されることから大幅な増益を見込んでいます。
しかし、現時点では、達成は微妙と判断せざるを得ません。業績予想の前提となる加盟店の新規獲得数と1店舗当たりの単価の計画が過大と見られるためです。
加盟店獲得数:前期1359店⇒ 今期2180店単価:前期55564円⇒ 今期59840円
街の不動産会社の業績が悪化している中で、新規獲得の大幅な積み増しや単価アップは難しいと考えるのが常識的な判断でしょう。実際、前期も期初の計画を下回りました。
仮に加盟店獲得数を前期並みの1350店、単価も計画の半分の57500円とすると、売上高で4.5億円が未達になる計算です。これは、同社の今期の営業利益が17億円(前期10億円)の計画であることを考えると、小さな金額とはいえないでしょう。
広告宣伝費などコスト調整しやすい費目が経費の多くを占めているため、売上高の未達がそのまま利益の未達になるとは思えませんが、会社計画は楽観的です。
昨年10月以降、株価は上昇トレンドに入っていますが、PERで見てもほぼ妥当な水準まで買われており、ここからの新規買いは控えたいところです。
なお、余談ですが同社のIR体制は高く評価したいと思います。四半期ごとの説明会の実施、詳細な資料、アナリストの質問に対する真摯な対応、WEB上の動画配信(アナリストの質問まで含む)で個人投資家の情報格差の解消に取組んでいます。
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