国際商品市況の回復が新聞紙上を賑わしています。ここでもう一度国際商品市況と株価との連動性を見ておきたいと思います。
まず国際的に高い評価を受けているCRBインデックス(REUTERS/JEFFERIESーCRB INDEX)を長期的な視点から見てみましょう。
70年代の石油危機がいかに大きな影響を与えたかが鮮明に出ています。これで、世界の先進国の中期成長力が大きく低下してしまいました。そして、2003年以降の商品市況の高騰は石油危機当時に匹敵するものでした。その影響による世界経済の構図の変化は、これからもっとはっきりしてくるのでしょう。
それでは、もう少し短期的な視点から見てみましょう。昨年後半からの急落ののち、反騰に転じてきました。長期的な趨勢は、明らかに現在よりも高い水準の商品価格の水準を示唆していますから、どうもこの反騰の基調は強そうですね。
となれば、商品市況が株式投資にどういう関わりを持つのか知りたいところです。
実は、株価は商品市況の動向に敏感に反応します。CRBインデックスと三井物産の株価を見てみましょう。極めて高い連動性を示しています。総合商社の株価を予想するときに、利益の動向に目を奪われてはいけません。国際商品市況の動向を見ることです。
次に、CRBインデックスから少し離れて、原油価格に焦点を当てて見ましょう。日銀のデータベースから、国内への原油の入着価格をとってきました。この原油価格と国際石油開発帝石の株価を見ると高い相関性が見てとれます。
石油開発を主力とする国際石油開発帝石と、石油精製が基盤の新日本石油とでは収益構造が大きく異なります。しかし、原油価格と新日本石油の株価を見ると、やはりかなり高い連動性が見られます。
このように、国際商品市況の動きを把握することは、そのまま高い投資収益に直結することになります。
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