6月の鉱工業生産動向は株式市場にあまり大きなインパクトを与えなかったようです。
しかしながら、内容をチェックすると、見た目よりもずっと良い内容だったと私は評価しています。
そこで、在庫循環モメンタムを通して、鉱工業生産動向を見てみたいと思います。
まず、生産の動きから。原指数の前年同月比はー23.4%。事前予想はー23.5%でしたから、ちょっとはマシという程度です。株式市場の好意的な反応が長続きしなかったわけです。
ところが、在庫循環モメンタムを見ると様相が異なります。大幅に好転しているのです。在庫循環モメンタムは出荷金額の増減率から在庫金額の増減率を差し引いた指標です。
この指標が急上昇しているということは、出荷金額、つまり売上が増加しているか、在庫が減少して需給が改善していることを示しています。図では、細い実線が出荷金額の動向、細い点線が在庫金額の変動を表しています。そして赤い太線が在庫循環モメンタムです。
在庫の動きが在庫循環モメンタムの上昇に大きく貢献しているのが鮮明です。同時に出荷に底打ちが見えてきたのが大きな特徴です。(米国では、この出荷の底打ちがいまだに鮮明には見えていません。)
この在庫循環モメンタムという景気指標は株式市場とかなり強く連動する傾向があります。
ということは、株式市場の上昇基調が続くことを、強く示唆するものと考えることができそうです。
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