米国の雇用統計発表と同時に急速に進行した対ドル円高が、月曜日の日経平均株価の頭を抑えそうです。
弱い雇用統計が、投資家を不安に陥れ、リスクを取りにくくしているのが、円高の背景であるという見かたが一般的なようです。
しかし、腑に落ちない点があります。「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数が急速に下落しているのです。雇用統計が発表された金曜日でさえ5%近い大幅な下落です。
10月30日に24%近く急騰した反動という面もあり、軽率な判断は控える必要がありますが、投資家は不安に陥るどころか、むしろリスク許容度を引き上げていることをVIX指数は示しているわけです。
金利がしばらく低水準のままで推移しそうだということが、安心感の一つかもしれません。ロンドン・インターバンク・レート(LIBOR)3カ月物でみると、円金利をも下回るドル金利ですが、その格差は維持されたままです。
VIX指数の低下と低金利の組み合わせはドル・キャリー・トレードを促します。ドルを売って商品や他通貨などにお金が向かうわけですから、対ドル円高が進むのは不思議ではありません。そして、金価格が一段と上昇したのも違和感はありません。
とするならば、雇用統計をきっかけに新たなドル安円高のステージに入ったというのは考えすぎであるように思います。これまで続いてきたドル・キャリー・トレードの流れに多少戻ったことによる対ドル円高と考えて冷静に対応したいと考えています。
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