米国株式市場の上昇で高く寄り付いた日経平均株価ですが、その後は軟調になり、回復の兆しも見せないまま、96.10円、1.01%安で大引けとなりました。後場に下げ幅が拡大しています。
弱いマーケットでしたが、新しく下げの牽引役が出現したということではないようです。
大手銀行の貸出債権の質の問題や、増資への懸念が話題になったようですが、耳に新しいニュースというわけではありません。ただ、株価の動きは確かにマーケットに影響したと思われます。
上海市場の反落のインパクトがあったもようです。しかし、そもそも上海はこの反落の前に大きく上昇を続けてきています。香港も同様です。
やはり、いつものことですが、為替の影響が大きかったと見ています。
特に、マーケットの開始直前を見計らったのような対ドル円高が投資家のセンチメントを冷却してしまったようです。そして、午後になると、さらに円高が進んだため、日経平均株価が回復のきっかけをつかめないまま終了したと考えています。
加えて、マーケットへの寄与度が大きいファーストリテイリングが40円、0.25%の上昇で引けてはいるのですが、ザラバでは一時、340円、2.15%高となっていますから、約300円の落差があります。これがマーケットの下げを加速させたように思われます。ただ、引けにかけての反発は心強い動きではありました。
と言うわけで、やはり為替の動向が重要なのですが、ドルのキャリー・トレードが続く間は、どうしても対ドル円高が重荷になることは念頭に置かなければならないようです。日本の政策担当者がこの問題にたいしで、全く無策であることが最大の問題であるかもしれません。
ただし、ドル・キャリーの巻き戻し局面では一転した円安局面も想定されますので、VIX指数や金利動向には引き続き注目する必要があります。
アジア市場は総じて軟調です。上げているのは韓国(+0.36%)とマレーシア(+0.1%)。その他は下げています。上海(-3.45%)、香港(-1.53%)の下げが目立ちます。ただし、この他には、日経平均株価の下落率を上回っているところはありません。
GLOBEXではダウ(-27ドル)、ナスダック(-6.75ポイント)ともに下げています。ただし、下げ幅は双方ともに僅かながら縮小方向です。前日の大幅上昇の反動は限定的と見られます。
今日は7-9月期GDPの改定値、9月のS&Pケース・シラー住宅価格指数とFHFAによる住宅価格指数、11月の消費者信頼感指数とリッチモンド連銀による製造業指数、さらに11月3日と4日に行われたFOMCの議事録の公開など重要な発表が相次ぎます。
したがって、米国市場の動向は予断を許しませんが、CMEの日経平均先物価格(円ベース)は9,335円。ちょっと低目という印象です。
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