今日の株式市場を振り返る 12月9日

スケアクロウさん
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 9日の日経平均株価は、前日のダウ平均株価と同様に、底を這うような停滞のまま一日を終えました。

 ドバイ問題に、ギリシャの格下げ、さらに米国やドイツの格下げ懸念などを背景とした欧米の株安が日本市場にも影響を及ぼしたと見ています。

 ただし、日本にとっては、これらの問題が対ドルや対ユーロでの円高をさらに加速するかもしれないという恐怖心が最大の問題だろうと考えています。

 欧州中央銀行のシュタルク理事が、「ドバイについては、もっと驚きがあるかもしれない」と指摘したことが、欧州の株式市場を揺らしたことに見られるように、恐怖心という心理的な要素が大きいことから、合理的な予測が難しいのが頭の痛いところです。

 したがって、当面は用心するに越したことはないと考えます。

 日経平均株価はCMEの日経平均先物価格(円ベース)9,975円を上回る10,048.94円(91円安)で寄り付きました。直前に発表された7-9月のGDPが大きく下方修正されたにも関わらず、寄り付き前の板では、むしろ買いの強さが目立ちました。 しかし、その後は沈滞ムード一色となり、そのまま135.75円、1.34%安で大引けとなりました。



 セクター別のパフォーマンスを見ると、今日のトップは円高メリットの代表である紙パルプ。マーケットの焦点が為替であったことを窺わせます。そして2番手は典型的なディフェンシブである電力・ガス。マーケットのセンチメントの弱さとリスク回避の動きを示唆しているようです。今日上昇したのは、この2つだけでした。

 一方、パフォーマンスの最下位は、証券・商品先物。マーケットの沈滞と、リスク回避による商品市況の低迷を物語ります。

 アジアは、韓国(+0.39%)、台湾(+0.37%)の他は下げています。上海(-1.73%)、香港(-1.44%)の下げが目を引きます。

 欧州はマチマチです。英国、ドイツ、フランス、スイス、イタリアなどがわずかに上げています。一方、オーストリア(-1.5%)の下落が目立ちます。その他、ベルギー、オランダ、スペイン、ノルウェーなどが下げています。マーケット開始直後にはすべてさげていましたから、少し落ち着いてきたように見えます。

 ただしドバイ市場が6.4%下落しましたので、油断は禁物かもしれません。



 GLOBEXでは、ダウ(+39ドル)、ナスダック(+9.50)と反発の気配です。上げ幅は拡大しています。欧州市場の落ち着きは、この動きを反映しているように見えます。今日は、10月の卸売在庫の他は、重要な経済指標の発表は予定されていません。

 明日の日経平均株価は、このまま米国がリバウンドすれば、多少高く始まりそうな気配です。ただし、為替に大きく影響されるので、ドル円の動向に注目したいと思っています。



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