昨日、「テクニカル面でみた頭打ち感に警戒を」の中で、10,500円を越えて強気に満ちたマーケットの雰囲気に対して不安を感じていると申し上げました。この心配は、年末・年始のラリーで杞憂に終わる可能性もあるのですが、先週のマーケットを振り返りながら、不安の理由をもう少し詳しくご説明しておきたいと思います。
先週の米国株式市場は「サンタ・ラリー」に沸きかえりました。ダウ平均株価は1週間で1.85%の上昇となっています。この米国市場に引っ張られるように、日経平均株価も上げています。米国同様に、弱い経済指標は無視する力強い上昇でした。上げ幅は3.48%と、ダウを大幅に上回りました。
懸念しているのは、お祭り騒ぎもあって大きく上昇したダウ平均株価を、さらに上回るペースで日経平均が上げたことです。果たして、年末・年始にラリーがあって、この水準から一段と大きく上昇すると期待して良いものかどうか、懸念を感じています。
では、なぜ米国市場を上回るペースで日経平均が上昇したのか?単なる調子に乗りすぎということだけではなさそうです。対ドル円安の進展に対する期待、ハイテク指標の強さなどが大きな牽引力を発揮したようです。
加えて、注目しているのは、日米の株式市場が基本的に同期しているということです。つまり、先週の日経平均株価の上昇は、乖離していた両国のマーケットが再び同期性を回復する動きであったとみるわけです。
実際、年初に米国が9,000ドル、日本が9,000円で始まったマーケットが、途中で乖離幅を拡大しながらも、12月24日の時点では、米国が10,500ドル、日本が10,500円と再び同期しています。
ということは、日経平均株価は、ダウ平均株価との同期性を回復するための上昇エネルギーをすでに消費してしまったのではないかと見ることもできそうです。
そうであるならば、もしダウ平均株価が、「サンタ・ラリー」の反動で調整するようなことがあれば、日経平均株価はストレートにその影響を受けるかもしれません。
では、ダウ平均株価が調整する可能性は? 小さくないと思っています。弱い経済指標を無視して上昇を続けましたし。長期金利の上昇と、それを背景にするドル高は、決して株価上昇要因とは言えないのではないかと考えています。
というわけで、日経平均株価の動向も多少警戒的に見ています。
明日の午前7時に掲載ということで、FXブログ「野村雅道と楽しい投資仲間達」に「トレンドとサイクル : かかし」という記事を投稿しました。お時間が許せば、是非ご覧いただければと存じます。この記事よりは、かなり明るい内容です。
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