急回復の続く米国の景気指標・・・在庫循環モメンタム

スケアクロウさん
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 1月5日に米国商務省が発表した11月「製造業出荷、在庫、受注統計」で、米国の景気動向について確認しておこうと思います。

 ポイントは、急速な景気回復が続いており、好調な株式市場の重要な背景の一つとなっているということです。

 この統計の一部が「耐久財受注」として事前に公表され、マーケットにかなり大きいインパクトを与える傾向があります。

 まず、全産業の出荷動向から。急回復しています。加速度を増しているように見えます。前年同期の水準まであと一歩のところまで来ました。経験的には、前年同期比でプラスに転じると、実感としての回復感が急速に強まってきます。



 次に全製造業の在庫の動きです。長く続いてきた在庫削減の動きにブレーキがかかり始めたようです。出荷の回復とともに、生産が増加していることを窺わせます。(注:生産統計は連邦準備銀行が受け持っています)



 そこで、出荷の増減率から在庫の増減率を差し引いた景気指標である「在庫循環モメンタム」を見ると、このようになっています。



 赤い太線が在庫循環モメンタムです。出荷の回復を背景に、上昇が加速しています。

 より長期的な視野から「在庫循環モメンタム」を見ると、回復の順調な進展が、さらに鮮明に確認できます。



 この「在庫循環モメンタム」はダウ平均株価とかなり良く連動しています。グラフから確認する限り、株価の上昇余地が大きいことが示唆されているようです。



 ただし、「在庫循環モメンタム」の上昇のかなりの部分が、政府による緊急経済対策による需要創出の影響を受けていることに注意する必要があります。両者のギャップがそのまま100%株価の上昇ポテンシャルであるとは言えないのですが、それでもあと一段の上昇があってもおかしくない状況であることは念頭に置く必要がありそうです。

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本文中に使用しているデータやグラフ類は主にここに掲げる各社の公表しているものに大変お世話になっております:経済産業省、内閣府、日本銀行、東京証券取引所、CME GROUP、CBOE,CNN Money、MSN Money、アット・ニフティ・ファイナンス、Yahoo!ファイナンス、外為どっとコム  
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