12月の米国雇用統計がコンセンサスよりも悪かったにもかかわらず、ダウ平均株価は11.33ドル、0.11%の上昇となりました。大引けにかけて意外な回復を見せました。
雇用統計の発表を受けて、ダウ平均株価は開始直後に52ドル強下落しました。その後は僅かに持ち直したものの、3時半ごろまでは軟調気味に推移しました。ところが、大引け前30分で急回復して、前日比プラスでの終了となっています。
金融セクターが終日低迷したのは、雇用統計の影響だと思われます。ゴールドマン・サックスが1.9%下落しました。
この金融セクターの停滞を補ったのがハイテクセクターでした。フィラデルフィア半導体指数が1.5%弱上昇したのを受けて、テキサス・インスツルメンツの株価が2.3%上昇しています。
大引け前の急回復は、ニューヨーク原油が0.15上昇と底堅かったことから、石油関連株が買われたことが大きかったようです。シェブロンは0.2%の上昇にとどまりましたが、大引け直前に上昇してマーケットの回復に貢献したと見られます。
以上のような推移を見せたダウ平均株価を強いと見るべきかどうか、判断に迷うところですが、私は意外に強かったと見ています。
理由の一つはハイテク株の強さ。コンピュータ及び関連製品の在庫循環モメンタムが急上昇していて、基調の強さの重要な背景になっているようです。(在庫循環モメンタムについては、「在庫循環図」をご参照ください)
このハイテク株に牽引されて、ナスダックは17.12ポイント、0・74%と、ダウ平均株価を大きく上回る上昇を見せています。
もう一つの理由は、VIX指数の下落。4.9%弱と大きく下げました。投資家心理が改善して、リスク許容度が高まったことを示唆しています。
ということで、米国市場の動きは日経平均株価にプラス要因であったようです。CMEの日経平均先物価格(円ベース)は10,835円となっています。
ただし、対ドル円レートは雇用統計発表後に大きく円高方向に振れており、その後も大きな円安方向への戻りも召せていないようですから、その分をマイナス要因と考える必要がありそうです。
加えて、日本航空が会社更生法での再建となることがほぼ決まったようですから、100%減資の可能性も念頭に置く必要があります。
となれば、金曜日の後場に急回復した日経平均株価が、3連休明けに反動を見せる可能性もありそうです。
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