軟調な局面もあると警戒していたこともあって、後場に入ってからの強さが非常に印象的でした。ただし、どうも強すぎるのではという感覚が消えません。重視している「鉱工業在庫循環モメンタム」の方向性から見て、マーケットの上昇に対して違和感はないのですが、調整なしの一直線の上昇を期待するのはリスクが大きいと考えます。
27円安で寄り付いた日経平均株価は、前場はそのまま停滞ムードで推移しました。ところが、後場に入ると急速に上げ足を速め、80.82円、0.75%の上昇で大引けとなっています。
前場の停滞は対ドル円高方向への振れがかなり影響したようですが、後場に入ると多少円安方向に揺れ戻したこともあって、グローバル経済の回復シナリオがマーケットを牽引したと見られます。
ファナックが3.8%上昇して、日経平均株価を14円弱押し上げました。
上海市場の上昇と、海外での高炉建設の話題が評価されて鉄鋼株が好調で、新日本製鐵が5.1%上昇しています。
その他、英国へのスマート・グリッドの基幹技術供与が伝えられる日本風力開発が7.0%と大きく上げました。
アジア市場はマチマチですが、上海が1.9%と大幅高になったのが目を引きます。
ただし、欧州は全面安となっています。英国では鉱業株などが下落しているようなので、アルコアのダメージが大きい米国株の軟調な動きが背景の一つになっているようです。
その米国株ですが、GLOBEXではダウ(-65ドル)、ナスダック(-11.75ポイント)とかなり大きく下落しています。今朝お伝えしたとおり、前日引け後に発表されたアルコアの決算が予想を下回ったことから、引け後の時間外で急落した影響が大きいと見られます。
今日は11月の貿易収支の発表の他、KBホーム、スーパーバリューなどの決算発表が予定されています。
対ドル円レートが円高方向に振れていることもあり、明日の日経平均株価への影響が気になるところです。
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