先週金曜日の米国株は上げた(DJIA +56.99, NASDAQ +8.53)。さらにドル円の為替レートが84円台の円安になった。しかし、本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が541に対して、下落銘柄数は1,015となった。騰落レシオは99.60%へ低下した。
TOPIXも日経平均も好材料の外部要因にもかかわらず、陰線で終えた。TOPIXは3月22日以来膠着状態が続いている。日経平均は保ち合いから少し上放れているが、2日連続陰線となり、上値は重い。
TOPIX -3 @859
日経平均 +10円 @9,718円
復興関連として震災直後から賑わっている(1916)日成ビルド工業と(1813)不動テトラは大幅反発した。震災特需による増益効果は既に織り込み済みで、3月24日高値を超えて上げ続けるのはバリュエーションから判断するとまずないと見ているが、仮に一時的にオーバーシュートしてもその高い株価水準を維持できないと見る。なぜなら、株価を維持するためには、ざっくりと言えば、その特需による利益水準を遠い未来までほぼ確実に維持できるという見通しを投資家の大多数が持つ必要があるからだ。利益の上昇が1,2年で終わってしまうと分かっている場合、株価は一時的に上昇した後、本来の長期的利益水準に見合ったレベルに落ち着く。これが株価の原理・原則ときほんであり、「不易」である。
東京電力は万策尽きて、遂に放射の汚染された水を海に放出する。地元の風評被害はさらに甚大なものとなるだろう。地元だけでなく、日本製の海産物全体に風評被害が広がるのは必至だ。地震、津波、原発事故の三重苦の地元民の気持ちを察すると、やりきれない思いだ。