昨日の米国株は小幅高となった(DJIA +32.85, NADAQ +8.93)。中国を先頭に世界各国が金融引き締めに動き始めたが、日本だけはまだ時期尚早で利上げはできない。その結果、円は各国通貨に対して円安となってきた。通常なら、このような状況を好感して株価は大きく上昇するはずであるが、本日も日本株全般は小安い銘柄が目立った。東証1部では、上昇銘柄数が557に対して、下落銘柄数は973となった。騰落レシオは83.63%へ上昇した。
TOPIXも日経平均も終値ベースでわずかに反発したが、陰線で終えた。TOPIXは6日連続の陰線、日経平均は5日連続の陰線である。出来高も減ってきている。米国株が反発し、円安が加わっても陰線である。弱いと判断せざるをえない。
TOPIX +2 @841
日経平均 +6円 @9,590円
東京電力の株価の動きが小動きになってきた。法律により電力事業者は今回のような災害時でも守られている。原子力損害賠償制度では、電力事業者が全額賠償できない場合、国が補助金や低利融資で支援できる。さらに、天災による事故の場合は、原子力損害賠償政府補償制度がある。国民感情、特に福島周辺の住民の感情は「国有化してしまえ!」かもしれないが、最終的には法律通り、国が税金を投入して救済することになる可能性が高い。このシナリオを信じる投資家は、十分安くなったと感じたら大量に買いに入ってくる。したがって、早晩、下げ止まりから急速な自律反発を期待しているだろう。