大容量の蓄電可能 NAS(ナトリウム硫黄)電池に脚光

AAI Fundさん
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全国的に電力不足が懸念される中、大容量の蓄電ができるNAS(ナトリウム硫黄)電池が脚光を浴びている。昼間のピーク電力カットを求められている工場などの大規模事業所では、夜間に電力をため、昼間に放電するNAS電池が有効な対策の一つになるからだ。開発した日本ガイシは導入企業が増えるとみて、平成23年度の年産能力を前年度の1・6倍に増強して売り込みを強化する。

 NAS電池は日本ガイシと東京電力が共同で開発を進め、15年に量産化。海外の風力や太陽光など自然エネルギー発電所を中心に導入が進んだが、国内でも東日本大震災以降、企業の節電対策として注目が高まった。特に、電力使用制限令が発動された東電と東北電力管内の企業から引き合いが急増しているという。

 6月中旬には、東北電が国内最大規模となる出力合計8万キロワットのNAS電池を能代火力発電所(秋田県能代市)に設置すると発表。6時間の放電で、5万世帯が1日に使用する48万キロワット時の電力量(電力に時間をかけた総量)を供給できるという。発電所の被災などで電力供給が十分でない中、NAS電池の活用で供給力の向上を図る。

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