米レストランで水道水注文が増加、ボトルウオーターは減少傾向に

AAI Fundさん
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26日に発表された米レストラン産業の動向を調査した市場報告書によると、米国のレストランで注文される飲料の中で最も急成長している飲料の1つが「水道水」で、ボトルウオーターを注文する人が減っていることが分かった。

 調査は米調査会社大手のNPDグループ(NPD Group)が18歳以上の5500人を対象に実施した。報告書によると、現在のレストランにおける飲料の注文件数は500億件、そのうち8%が水道水の注文だった。ソフトドリンクやアルコール類の注文が過去5年間で減少した一方、水道水の注文は2006年以降で28億件増加した。水道水の注文が増えた理由は「無料」だからだという。

 過去数十年間、ボトルウオーター業界は、ありふれた自然資源である水をファッションアイテムやステータスシンボルにすることに成功してきた。エビアン(Evian)やペリエ(Perrier)、サンペレグリノ(San Pellegrino)といったブランドがセレブやデザイナーとのコラボを行い、お高くとまったウエーターたちは水道水を注文する食事客を冷笑したものだった。

 だが、ボトルウオーターに対する環境団体の反対運動や景気低迷、それに甘い飲料に対する健康面での警告などにより、消費者はつつましやかな水道水に戻ってきたようで、高級レストランでも同様のことが起きているという。

 報告書の執筆者、ボニー・リッグス(Bonnie Riggs)氏は「景気低迷と高失業率が水道水の注文が増えた要因ではあるものの、炭酸ソフトドリンクなど一部飲料の注文は景気低迷の前から減少していた」と指摘した。

■成長飲料はアイスティーやスムージーなど

 有料の飲料の注文は過去5年間で27億件(6%)減少した。減少幅が最も大きかったのは注文される飲料の半分近くを占める炭酸ソフトドリンクとコーヒーだった。その一方で、アイスティーやスムージー、フローズンドリンク類やスペシャルティコーヒーなどは成長を続けているという。
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