「麗子像」で知られる洋画家、岸田劉生（りゅうせい）（１８９１～１９２９年）の油彩画で、５１年間行方不明とされていた「黒き土の上に立てる女」（１９１４年、６２センチ×４６・８センチ）がこのほど発見され、２４日にシンワアートオークション（東京）で競売にかけられる。

　両足で大地を踏みしめ、胸元もあらわに立つ女性像は豊穣（ほうじょう）の象徴で、西洋古典絵画を参考にしたものと推測される。モデルは母親になったばかりの妻とみられ、直前に描かれた「南瓜を持てる女」（ブリヂストン美術館蔵）と題材や構図が類似している点が興味深い。昭和３６年に雑誌掲載用に撮影されて以来、研究者らも所在がわからず、焼失情報も出ていたという。

　出品者は非公表で、落札予想価格は７００万～１千万円。




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