東日本大震災で昨年は自粛が広がった「お花見」が復活し、流通、食品各社が「桜商戦」を展開中だ。31日には東京で桜が開花。百貨店やコンビニエンスストアが花見弁当の品ぞろえを強化し、外食や食品会社もサクラをイメージした商品を次々と発売するなど、2年ぶりの花見客の取り込みに躍起だ。
「食べたいお弁当、ボクにおしえてネ!」。大丸東京店(東京都千代田区)は3月下旬から、花見弁当などの広告トラックを銀座や日本橋で走らせている。好きなデパ地下弁当へのコメントをネットに投稿してもらう百貨店初のPR戦略で、「今年の花見シーズンは、売り上げで前年の2割増をクリアしたい」とそろばんを弾く。
花見の名所・上野公園に近い松坂屋上野店(東京都台東区)は、花見会場へのオードブル配達に乗り出した。焼き鳥や串カツなど11品目が選べ、4日前まで注文できる。ファミリーマートも20日から、野外で食べやすい「串物おでん」の新商品を発売した。
外食や食品メーカーも、「桜」をあしらった商品で盛り上げる。サントリー酒類は人気商品「角ハイボール缶」の「春デザイン缶」を限定販売し、角ハイボール缶全体で前年の8倍の20万ケース(1ケース=250ミリリットル24本換算)の出荷を狙う。
日本マクドナルドは春の「てりたま」シリーズに、サクラ風味のソースをトッピングした「さくらてりたま」を追加。担当者は「2年分の“春”を楽しんで」とPRする。電通総研は「今年は昨年の分まで花見客が増える」と分析する。