日経平均を1銘柄で＋４３円押し上げた。
バリュエーション面では全く割安感はないだけに、完全に需給主導の上昇と見て良いだろう。
しかし、そうタカをくくっていると思わぬ上昇を見せるのが相場である。
東京株式市場は月曜休場だが、為替の動きに注目。
財政の崖や欧州危機が一端沈静化した今、下落要因は特に見当たらない。
ただ、この雰囲気が一夜にして変わるのが相場である。
昨年の3月もこんな感じだった。「だから買うな」と言うことではない。
いつまでも上昇は続かないという常識を得てして過熱局面では忘れがちになるものなのだ。
出遅れ感がラリーを更に加速させる訳だが、ヘッジファンドの変わり身は早い。
雲行きが怪しくなったら脱兎の如く逃げるべしである。
今年は正月休みにマーケットの魔術師シリーズの新版「続・マーケットの魔術師」を読了。
2008～2011年のリーマンショック～欧州危機を名うてのファンドマネージャーがやトレーダーがどう乗り切ったのか、非常に楽しく読ませて頂いた。
インタビュアーのジャック・シュワッガー氏の質問にはブレがない。
それに対する有名トレーダーの返答が本当に十人十色で、各人それぞれ性格にあったエッジを身につけている。
しかも、トレーダーの多くがやはり氏の「魔術師シリーズ」を読んでいるというのも微笑ましい。
マーケットに聖杯はなく、試行錯誤して自分なりの手法を確立していくしか道はない。
確立した手法も変動していくマーケットに適応させていかなければ、すぐに使い物にならなくなる。
ソロスの弟子、コルム・オシアはこう言っていた。
「偉大なソロスの言葉を借りるならば、「まず投資をして、あとで調査せよ」です。トレードのために常に立派なストーリーが必要だというこだわりは捨てたほうがいい。私は実際には観察こそ一番と考えているんです。今、進展している現実がすべてに勝ると考える」
納得である。
