吉野豊氏のテクニカル分析
2013年05月08日(水) 11時53分59秒
テーマ:記事紹介
SMBC日興證券チーフテクニカルアナリストの吉野豊さん。
偉大な先代佐々木英信氏の後を受けて頑張っておられるが、控えめな雰囲気からかテクニカルアナリストランキングでは未だに1位にはなれていない。
最近のマーケットは自然な価格形成ではなく、政治要因に大きくコントロールされているため、テクニカル分析が現実のマーケットの後付け的な分析になってしまっていることが多いような気がするが、「ガンバレ!吉野さん」という勝手な思いも込めて、今週号の日経ヴェリタスの載っている氏のテクニカル分析をご紹介。
以下、要約。
相場の世界にも景気の循環と同様に、一定の周期で天井を打ったり底入れしたりするサイクルが存在する。米国と日本の株式市場の今後に重要な影響を及ぼしうる大事なサイクルが5月上旬に到来する。
米NY市場のダウ工業株30種平均は2010年以降、3年連続で4月末ごろにピークを打っている。この255日営業日ごとに高値を付けるサイクルが5月上旬に到来する。
また、2010年1月以降、日経平均株価が、272日前後ごとに頭打ちすることを繰り返してきたサイクルもやはり5月上旬に来る。
昨年11月以降、日米の株価指数がともに上昇を続け、日経平均は1万4000~1万4500円の節目、NYダウは1万5000ドル前後の節目にさしかかっている。ここを抜けきれず、5月上旬で頭打ちとなるようだと、過去3年と同様に調整局面へ移行する可能性が浮上することになろう。
ただ、今年は7月中旬にも多数のサイクルが集中する大事な時期が観測される。7月といえば国内で参議院選挙が予定されている時期でもある。5月上旬で株式相場が頭打ちとなっても、その後の調整が軽微なもので収まるなら、7月中旬にかけてさらに上値が切り上がる可能性もあろう。
ただし、7月中旬頃まで上昇を続け頭打ちとなると、2011年秋以来の2段目の上昇波動がピークアウトし、久しぶりに大きな揺り戻しが生じる可能性が浮上することになろう。