株式投資を始めた頃は大抵の人は買いから入る人の方が多い。
株に慣れた頃、上げ相場は時間がかかるが下げ相場は速度が速い事に気付く。
そこで空売れば「手っ取り早く儲かるのでは?」と考えるようになり「空売り」に手を染める。
ここまでならどうという事はないのだが、一旦「空売り」の味を占めたら、どんな時にでも空売りで相場を張り、止められなくなり易い。
その結果、大きな上昇相場が来ても空売りで入り、結局は大損に結び付くケースが非常に多い。
空売りは信用取引だね。信用取引には「買い」と「売り」の二つがある。
ただ条件が異なる。
「信用買い」は決済に「売り落ち」と「現引き」の二つがあり、相場の読みが逆に動いても「現引き塩漬け」という最終手段が残されている。
一方「空売り」には6ヶ月と言う期日が定められ、この期日を超す事は絶対にない。
一旦「買い戻す」意外、決済の手段がないのだ。この点が空売りの恐ろしいところであり、信用取引では最初から買い方有利のシステムと言う事になっている。
爺ちゃんも例に違わず「空売り」の魅力に取り付かれ、最初頃「空売り」で相場を張った。
上昇相場が来ても「その内下がる」とか「上げ過ぎだから下がる筈だ」とか、自分勝手な解釈をこじつけていた。時には意地になって売り続けた事があった。その結末は株式教本に書かれている通り「大損」をこいた。
「相場の流れには逆らうな」
この格言を身にしみて味わった。
株式格言には「空売りは臆病であれ!」と書かれている。
最初から不利な条件で戦う事を表している訳だね。
相場様や流れに意地を張って立ち向かっても、所詮勝てる相手ではないと言う事なんかな。