国産初のジェット旅客機「MRJ」、いよいよ11日に初飛行へ
フジテレビ系(FNN) 11月11日(水)0時56分配信
国産初のジェット旅客機「MRJ」が、いよいよ11日、初飛行を行う。
国産の旅客機としては、半世紀ぶりの開発。
今後、多くの期待を背に、世界に打って出ようとする、この日の丸ジェットだが、その前には、中国の影が見え隠れしていた。
11日午前、いよいよ初飛行を迎える、国産初のジェット旅客機「MRJ」。
9日まで、離陸時と同じ、時速220kmで滑走路を疾走。
前輪を浮かせ、離陸直前の状態になるまでの試験を行っていた。
日の丸ジェットへの期待は高まっている。
10月、見物客は、「楽しみにしています」、「本物を見たかったので、きょうはこのために、九州から」などと話した。
今後20年間で、5,000機前後の需要が見込まれている、この小型旅客機市場。
MRJは、名古屋を拠点に、3,500機の生産を計画しているが、あの国もこの市場を狙っていた。
2カ月前、中国・北京で開かれた国際航空展。
中国初の国産旅客機「ARJ21」。
座席数は68席から90席で、まさに日本のMRJと同じサイズ。
2015年8月には、MRJより一足早く試験飛行を終え、2016年からは、中国国内で商業飛行を始める予定。
中国のARJ21は、中国独自の安全基準で開発を進めたため、現時点では、欧米などでは就航することはできない。
しかし、すでにタイやコンゴの航空会社が購入を決定しているという。
2015年6月に行われた、世界最大級の航空見本市。
47カ国2,200社以上が出展し、ここがMRJの最大のアピールの場となるはずだった。
しかし、開発スケジュールの4度にわたる延期により、この見本市の前に、初飛行を行うことができなかった。
この市場で、圧倒的なシェアを誇るライバル、ブラジルのエンブラエル社は、新型機など100機近くを受注した。
エンブラエル社のパウロ・シルバCEOは「われわれは、60%のシェアを持つ、リーダーです。(MRJに勝てますか?)はい、もちろん」と話した。
一方、この時のMRJの新規受注はゼロ。
MRJは現在、日本やアメリカなどで、400機余りの販売が内定しているが、世界販売については、決して順調とはいえない。
6月、三菱航空機の森本浩通社長は「開発は極めて順調に進んでおりますけれども、やはりお客様としては、一刻も早く飛ばしていただいて、その結果を見たい」と語った。
実績が重要視される航空機業界。
11日のMRJの初飛行は、とても大きな意味を持つ。
日の丸ジェット「MRJ」は、世界の空へ浮揚していくことができるのか
11.11