あす23日の東京株式市場は、上値の重い展開か。英国で新型コロナウイルス変異種の感染が拡大し、欧州各国は英国からの入国停止などの措置に踏み切った。変異種はオーストラリア、アイスランド、イタリア、オランダ、デンマークでも確認され、警戒感が尾を引くとみられる。欧州経済の一段の悪化につながり兼ねないだけに、変異種の感染状況を注視する必要がある。
ただし、感染力が強いとみられる変異種については、強毒化の証拠は今のところなく、WHO(世界保健機関)はこれまでに開発されたワクチンが有効との認識を示している。影響は限定的で、悲観することはないとの見立てが多い。一方、総額9000億ドル(約93兆円)の米追加経済対策案は現地21日中に可決する見通しだが、「成立すれば、サポート要因になる」(中堅証券)、「いったん材料出尽くし」(国内投信)など見方が分かれている。
22日の日経平均株価は大幅に3営業日続落し、2万6436円(前日比278円安)引け。朝方は、英国での新型コロナウイルス変異種の感染拡大への警戒感が続き、売り優勢で始まった。下げ渋る場面もあったが、買いは続かず、株価指数先物売りを交えて再度軟化した。時間外取引の米ダウ先物安も重しとなり、下げ幅は一時350円を超えた。チャート上では、心理的なフシ目となる2万6500円を2週間ぶりに下回るとともに、11月2日以来の25日移動平均線割れとなったが、目先的な調整にとどめられるかが注目される。(モーニングスター)