今週のポイント
トランプ氏は24年11月25日、「1月20日(大統領就任初日)に、メキシコとカナダからの輸入品には25%の関税を課す大統領令に署名する」との考えを示しました。トランプ氏がこれを実行するのかどうか注目されます。対メキシコ関税が実行された場合にはメキシコペソ安圧力が、対カナダ関税が実行された場合にはカナダドル安圧力が生じると考えられます。
カナダドルについては、21日発表のカナダの24年12月CPI(消費者物価指数)も材料になるかもしれません。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む次回1月29日のBOC(カナダ中銀)会合の確率は、0.25%の利下げが7割強、政策金利の据え置きが3割弱です。CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOCの利下げ観測が後退するとともに、カナダドルを下支えする可能性があります。
NZドル/円やNZドル/米ドル、豪ドル/NZドルは、22日発表のNZの24年10-12月期CPIに反応しそうです。CPIの結果を受けてRBNZ(NZ中銀)の大幅利下げ観測が強まれば、NZドル安圧力が生じると考えられます。
日銀は23-24日の金融政策決定会合で利上げを行うとの観測が市場で強まっています。仮に利上げが行われたとしても、植田総裁の会見で追加利上げに慎重な姿勢が示された場合、豪ドル/円などのクロス円は底堅い展開になりそうです。
主要国の株価が大きく変動する場合、株価の動向も材料になる可能性があります。株価が下落を続ける場合にはリスクオフ(リスク回避)の動きが強まるとともに、投資家のリスク意識を反映しやすい豪ドルやNZドルが軟調に推移するかもしれません。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.10000NZドル~1.11800NZドル>
22日にNZの24年10-12月期CPI(消費者物価指数)が発表されます。この結果に豪ドル/NZドルが反応しそうです。
RBNZ(NZ中銀)は24年8月・10月・11月の3会合連続で利下げを実施。前回11月会合の声明では、「経済状況が予測通りに推移し続ければ、25年初めに政策金利をさらに引き下げることができると予想している」とされ、追加利下げが示唆されました。
市場ではRBNZは次回2月19日の会合で追加利下げを行うと予想されています。利下げ幅については0.50%になるとの見方がやや優勢となっており、市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む0.50%の利下げ確率は約6割です。
NZのCPIが市場予想を下回る結果になれば、0.50%の利下げ観測が強まるとともに、NZドル安圧力が生じそう。豪ドル/NZドルは堅調に推移すると考えられます。
今週の注目通貨ペア(2):<メキシコペソ/円 予想レンジ:7.000円~8.000円>
今週のメキシコペソ/円は、“トランプ氏の対メキシコ関税がどうなるのか”や“日銀金融政策決定会合の結果”が材料になりそうです。トランプ氏が高率の対メキシコ関税を実行すれば、メキシコペソ安圧力が生じてメキシコペソ/円は下押ししそうです。
市場では、日銀は23-24日の会合で0.25%の利上げを行うとの観測が強まっています。仮に利上げが行われたとしても、植田総裁の会見で追加利上げに慎重な姿勢が示されれば、メキシコペソ/円は下げ渋る可能性もあります。
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