逆の意味で“分水嶺”に差し掛かっている…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2025/02/14 11:20

◆ 一転して“巻き戻し”… - “152円半ば”へ反落


まさにトランプ劇場…。

トランプ大統領は「相互関税の覚書」に署名したものの、“即時導入”は見送られました。
これが「今後の交渉次第では、適用国はさほど増えない」との思惑につながり、前日とは一転して“巻き戻し”が先行しました。

また昨日発表の「米PPI」は“予想を上回った(+3.5%/コア+3.6%)”ものの、FRBが重要視する「PCEの項目」は概ね落ち着いていました。
このため「米利下げ観測後退」も緩みつつあり、この影響にて米10年債利回りは“前日から急低下(4.65%→4.51%)”しました。
つれてドル円は“152.690円”へと押し戻され、そして本日に入って“さらに拡大(本稿執筆時安値は152.446円)”するに至っています。

◆ テクニカル的には“下値模索”再びだが…?


“200日移動平均線(本日は152.720円)”を下回ったことを踏まえれば、少なくとも“上値模索”は減退したと見るべきです。
一方で“さらなる下値模索”となるかは、来週初が「米国休場(大統領の日)」となるスケジュール感では…?

12日の「米CPI」における急伸のスタート地点となるのは、概ね“153円半ば”でした。
そしてその12日安値は“152.374円”ですので、たとえ“200日移動平均線”を下回ったとはいえども、このまま加速するかは微妙といわざるを得ないところです。
一方で本日は「米小売売上高」が予定されていますので、その結果次第では“さらなる下値押しor目先の底打ち”となりかねない分水嶺ともいえそうです。

前月は“好内容(+0.4%)”でしたが、その反動分もあって“5ヶ月ぶりの低下(△0.1%)”が見込まれています。
ただし前記したように「米国休場」というスケジュール感に加えて、「トランプ関税」「ウクライナ情勢」といった不透明要素が入り混じっているのが実状でもあります。
あくまで結果次第とはいえども、“神経質な揺れ動き”は覚悟しておくべきかもしれませんね。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

154.805(2/12高値)
154.669(2/13高値)
154.306(2/12~2/13の76.4%戻し)
154.167(20日移動平均線)
上値5:153.997(2/12~2/13の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス、大台)
上値4:153.754(日足・一目均衡表先行スパン下限、2/12~2/13の50%戻し)
上値3:153.498(2/12~2/13の38.2%戻し、20週移動平均線)
上値2:153.207(100日移動平均線、日足・一目均衡表転換線、2/12~2/13の23.6%戻し)
上値1:153.000(大台)
前営業日終値:152.778
下値1:152.690(2/13安値、200日移動平均線)
下値2:152.585(50週移動平均線、-1σ)
下値3:152.374(2/12安値、2/7~2/12の61.8%押し)
下値4:152.089(ピボット1stサポート)
下値5:152.000(大台)
151.820(週足・一目均衡表先行スパン上限、2/7~2/12の76.4%押し)
151.641(2/11安値)
151.400(ピボット2ndサポート)
151.207(2/10安値)
151.098(週足・一目均衡表先行スパン下限)
151.000(大台、-2σ)

《10:55》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想