今週のポイント
トランプ政権による関税をめぐる報道に市場が反応しやすい状況になっています。関税によって米国内のインフレ圧力が強まるとの見方が市場にはあり、関税発動への懸念が高まれば米ドルが全般的に堅調に推移しそうです。米ドル/カナダドルや豪ドル/米ドル、NZドル/米ドルについては引き続き関税をめぐる報道に要注意です。
豪ドルはRBA(豪中銀)の、NZドルはRBNZ(NZ中銀)の政策会合が材料になりそうです。市場ではRBAは0.25%利下げして、RBNZは0.50%利下げすると予想されています。両中銀の会合では、政策金利の結果とともに声明などで先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるのかに注目です。
米国とロシアのウクライナ戦争の停戦協議も材料になるかもしれません。停戦協議が前進するとの期待が市場で一段と強まる場合、リスクオフ(リスク回避)が後退してクロス円(豪ドル/円やメキシコペソ/円など)を下支えする可能性があります。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09800NZドル~1.12000NZドル>
今週(2/17- )は、17-18日にRBA(豪中銀)の、19日にRBNZ(NZ中銀)の政策会合が開かれます。これらの結果が豪ドル/NZドルの行方に影響を与えそうです。
RBA会合については、市場では0.25%の利下げが行われることがほぼ確実視されています。その通りの結果になれば、RBAの声明や会合後のブロック総裁の会見で追加利下げが示唆されるのかどうかに注目です。市場では、次々回5月の会合で追加利下げが行われるとの見方が有力です(次回3月31日-4月1日の会合については政策金利の据え置きを予想)。
RBNZ会合については、市場では0.50%の利下げが行われるとの見方が有力です。RBNZの声明や会合の議事要旨、四半期に一度の金融政策報告とオア総裁の会見にも注目です。総裁会見などの焦点は、今後の利下げペースについてどのようなヒントが示されるのかになりそうです。
RBAの早期の追加利下げ観測が強まるか、RBNZの利下げペースが今後鈍化するとの観測が強まる、あるいはその両方の場合、豪ドル/NZドルは200日移動平均線(17日時点では1.09805NZドルに位置)に向かって下落する可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.40000カナダドル~1.44000カナダドル>
米ドル/カナダドルは2月3日に一時1.47883カナダドルへと上昇し、03年4月以来およそ22年ぶりの高値を記録。その後は下落傾向となり、14日には1.41475カナダドルへと下落する場面がありました。
3日以降の米ドル/カナダドル下落の主因として、トランプ米政権による早期の関税発動をめぐる懸念が市場で後退したことが挙げられます。市場では関税によって米国内のインフレ圧力が強まるとの見方があります。
4日に予定されていた対カナダ関税の発動は1カ月延期されました。また、トランプ大統領は2月13日、貿易相手国が米国製品に課している関税と同じ税率の関税を課す相互関税の導入検討を指示する覚書に署名したものの、市場では相互関税が発動されるには時間がかかる(4月以降になる)との観測があります。
米ドル/カナダドルは引き続き、トランプ政権による関税をめぐる報道に反応しやすい展開が想定されます。各関税の発動への懸念が市場で一段と後退する場合、米ドル/カナダドルは一段と下落する可能性があります。
カナダの1月CPI(消費者物価指数)が19日に発表されます。次回3月12日のBOC(カナダ中銀)政策会合について、市場では“0.25%利下げする”と“政策金利は据え置かれる”とで見方が分かれているようです。後者の見方が強まる場合、カナダドルにとってプラスになりそうです。
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