“150円台”をしっかり維持できるか…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2025/02/25 11:17

◆ “急落”、そして一服後に“反発” - 一時“148円後半”


「日銀早期利上げ観測」が燻る中、先週末は“予想を下回る米経済指標”が相次ぎ、「米景気後退懸念」が再燃しました。
このため“150.731円”へと値を戻していたドル円でしたが、一転して“149円割れ(安値は148.932円)”へと下落しています。
そして週明けとなる昨日はさらに“148.843円”へと値を落とす場面が見られましたが、そこからは“巻き戻し”が先行しています。
キッカケとなったのは、注目の「独総選挙」が“概ね想定通り”という結果に落ち着いたからです。

◆ 独総選挙は“概ね想定通り” - “巻き戻し”先行


最大野党である「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」が“第1党”となり、“21年以来の政権復帰”が確実となりました。
一方で与党である「社会民主党」は“戦後最低の得票率(16.4%)”を記録するなど、いわゆる惨敗を喫しました。
極右政党である「ドイツのための選択肢(AfD)」が“第2党”というところまで“概ね想定通り”ということもあり、ユーロには“買い戻し”圧力がかかりました。
一方で先週は主要通貨に対して“ほぼ最強通貨”の地位を独占(5日中4日)した円には、“巻き戻し(円売り戻し)”がかかっています。
こうして“149円後半”へしっかり下値を削ると、本日に入って“150円回復(本稿執筆時高値は150.304円)”へと反発するに至っています。

◆ ただ“持続性”に関してはまだ微妙といわざるを得ない…?


本日はこの“持続性”がポイントと見られますが、本邦3連休明けということもあって「ドル不足」がもともと指摘されていました。
ただすでに仲値を越した以上、このまま継続するかは微妙といわざるを得ないのが実状となります。
一方でトランプ関税を巡る不透明感は根強いだけに、“リスク回避→円買い”がこのまま影を潜めるとは想定しづらいというのも事実といえます。

このまま“150円台”を維持することができれば、“2/21高値(150.731円)”を経て、“2/12~2/24の38.2%戻し”とほぼ重なる“週足・一目均衡表先行スパン下限(本日は151.098円)”への反発が期待されるところです。
ただしそうでなければ…?

「メキシコ・カナダへの関税賦課延期」が来週に迫る中、トランプ大統領は『このまま発動』と自らが言及しています。
そうなると「米インフレ高騰→利下げは困難」との見方がいつ再燃しないとも限らない状況下、まだまだ“方向感定まらず(揺れ動き)”は継続すると見ておく必要がありそうですね。
前記“150円台”をしっかり維持することができるかを、しっかりと見極めながら…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

151.120(2/12~2/24の38.2%戻し、週足・一目均衡表先行スパン下限、ピボットハイブレイクアウト)
151.000(大台)
150.731(2/21高値、月足・一目均衡表転換線)
150.548(-1σ、ピボット2ndレジスタンス)
上値5:150.321(20月移動平均線)
上値4:150.250(2/12~2/24の23.6%戻し)
上値3:150.115(ピボット1stレジスタンス)
上値2:150.000(大台)
上値1:149.866(2/24高値)
前営業日終値:149.728
下値1:149.482(2/24安値後の50%押し)
下値2:149.331(2/24安値後の61.8%押し)
下値3:149.227(週足・一目均衡表基準線、2/24安値後の押し目)
下値4:149.092(ピボット1stサポート)
下値5:149.000(大台)
148.843(2/24安値)
148.636(24/12/3安値、-2σ)
148.552(100週移動平均線)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想