「雇用統計」と「トランプ関税」に要注意!
【注目ポイント】「147.160円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「150.000円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レート割れなら、「140.000円」付近までの下落も視野に
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「140.000~150.000円」
【注目材料】米2月雇用統計
昨日(6日)、昨年10月4日以来の安値となる「147.299円」まで下落した米ドル/円。上値の重い相場付きが継続する中、もう一段の下値追いとなるのでしょうか。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の下方にあること、3) ローソク足の上方に赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが右肩上がりでの推移になりつつある(上図青色点線丸印)ことから、現在の米ドル/円・日足チャートは下降トレンド継続を示すチャート形状であると判断します。
その他では、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・-1σラインと同・-2σラインの間を推移する“下降バンドウォーク”となっていること、またⅱ) BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”が示現しつつあることを合わせると、米ドル/円の下降モメンタムがさらに強まる可能性も。
そんな中、喫緊の注目ポイントは・・・BB・-2σラインをメドとする「147.160円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「147.160円」で下値サポートされた場合は、「下値固め」→「反発フロー」となりそうです。当該ケースでは、「下降バンドウォーク崩れ」や「SARの買いサインへの転換」、また「-DI>+DIの乖離縮小」なども伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAならびに赤色雲の下辺である先行1スパンをメドとする「150.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。ただし、現状では㋐ 赤色雲が分厚い形状(=強い上値抵抗帯)であること、また㋑ 200日MAが横向きでの推移となっていることから、上値余地は限定的でしょう。
[シナリオ②]
一方で、「147.160円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「下値支持線割れ」→「もう一段の下値追い」へのトリガーとなる可能性も。当該ケースでは、「下降バンドウォークの継続」や「エクスパンションの進展」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、昨年9月16日以来の安値水準である「140.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下の米ドル/円はもう一段の下値切り下げを模索する相場付きとなる中、当面※は「140.000~150.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
足もとでは、日本時間本日午後10時30分に発表される米2月雇用統計の結果が米ドル/円の相場動意となりそうです。合わせて、トランプ米大統領による関税賦課、いわゆる「トランプ関税」に関する発言や動向にも引き続き留意すべきでしょう。
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