20年12月末以来の下値支持線がキープできるか
【注目ポイント】「92.690円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「100.000円」付近までの上昇を想定
【シナリオ②】同レート割れなら、「86.000円」付近までの下落も視野に
【2~3カ月スパンの“主戦場”(コアレンジ)】「86.000~100.000円」
昨年7月11日に91年3月以来の高値となる「109.329円」を付けた後、同年8月5日のいわゆる“植田ショック”(令和のブラックマンデー)時に「90.166円」まで急落した豪ドル/円。その後は一旦心理的な節目である「100.000円」を再び超える動きを見せたものの、その後勢いは失速。ここもとは徐々に下値を切り下げる相場付きとなっています。
そんな中、足もとの豪ドル/円は、週足チャートのアナロジー(類比)分析上「下げ止まり」→「下値固め」→「反発フロー」の基点(上図黄色実線丸印)となり得る200週MA(移動平均線)に接近する動き(上図黄色点線丸印)となっています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 26週MAが横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態になっていること、そして3) ローソク足の上方に赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があることから、現在の豪ドル/円・週足チャートは上方硬直性を伴うレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
他方、相場の「売られ過ぎ」「買われ過ぎ」を示唆するオシレーター系指標であるSSTC(スローストキャスティクス、チャート下部)を見ると、足もとではSSTCを構成する2本の線が「売られ過ぎ」を示唆する20%ライン付近にある(上図青色点線丸印)ことが視認できます。今後、同指標が20%ライン付近で交差し、その後右肩上がりで推移する“ゴールデン・クロス”(上図青色実線丸印)が示現した場合は、「下値固め完了」→「上昇フロー」となる蓋然性(がいぜんせい)が高そうです。
これらを踏まえた上での喫緊の注目ポイントは・・・上述した200週MAをメドとする「92.690円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「92.690円」で下値サポートされた場合は、「下値固め完了」→「上昇/反発フロー」の起点となり得そうです。当該ケースでは、「下降バンドウォーク崩れ」や「(約半年間における市場参加者の平均コストを示す)26週MA(≒97.650円)超え」、また「SSTCの“ゴールデン・クロス”示現」なども伴いながら、赤色雲の上辺である先行2スパンをメドとする「100.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「92.690円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「重要な基準線割れ」→「下値切り下げ」へのトリガーとなる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンの“逆転”」や「下降バンドウォークの継続」、また「SSTCの“ゴールデン・クロス”フェイク(ダマし)」なども伴いながら、23年3月24日に付けた安値水準である「86.000円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落を視野に入れるべきでしょう。当該ケースでは、「200週MA割れ」とともに「遅行スパンの“逆転”」が示現していることから、20年12月末を起点に下値しっかりの相場付きとなっていた豪ドル/円において、週足チャートレベルでのフェーズ転換(=下降トレンドへの転換)が示現したと捉えるべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下の豪ドル/円・週足チャートは下値固めを模索する相場付きとなる中、当面※は「86.000~100.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、2~3カ月程度のスパンを想定しています。)
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