～個人富裕層向け収益不動産事業を拡大、配当利回り4％を確約～

【ポイント】
・業績は順調に拡大している。収益不動産事業が業績を牽引している。とりわけ、不動産小口化事業がリード役となっている。今2025年12月期は営業利益で36億円、税前利益で28億円（前期比+9.9％）が見込めよう。

・今2025年12月期は、中期3ヵ年計画の2年目に当たるが、会社計画を上方修正した。不動産小口化商品「ARISUTO（アリスト）」が引き続き牽引しよう。

・中期3ヵ年計画では、3年目の2026年12月期で、営業利益37億円、税前利益30億円、ROE10.4％、この時の収益不動産残高は500億円（2023年12月末447億円）を目指す。これらの目標は射程内にある。その先の2027年12月期について、ROEで13～14％を目指すと新たな目標を公表した。それに向けた実行戦略が具体化しよう。

・現在の株価は、PBR0.60倍＝ROE 9.55％×PER6.28倍という水準にある。PBRが1倍を割っている要因は、収益性（ROE）の向上と成長性（PER）の確からしさに、まだ市場の信認が得られていない。今期の配当利回りは5.2％と高く、上場企業の中でも上位1割以内のところにある。

・昨年12月に、会社サイドは、新しい配当方針を公表した。配当性向が50％内であれば、配当利回り4％以上を確約する。2025年12月期の配当は12円を予定している。今後、株価が300円でも、配当利回り4％として配当は12円、400円になると同16円が予定できる。16円でも、今期のEPSに対して配当性向は50％を下回っている。

・投資家にとって、今後株価が上がっても、配当利回り4％を確約する配当が見込めることはありがたい。一方、もし業績が未達になった時でも、安定配当として12円は十分見込めると判断する。配当利回り4％の確約は、ユニークなKPIとして注目できよう。

・今後1年で株価は300円を超えてくるものと予想する。プライム上場維持基準の流動株式時価総額100億円はクリアできよう。中長期業績のもう一段飛躍に向けて、引き続きビジネスモデル（価値創造の仕組み）の革新が進もう。次なる挑戦に注目したい。

目次
1．特色　個人富裕層向け不動産事業に専心
2．強み　不動産小口化商品で独自の領域を拡大
3．中期経営計画　新3ヵ年計画は上方修正の方向
4．当面の業績　ピーク利益の更新が続こう
5．配当方針　配当利回り4％を確約
6．企業評価　プライム上場基準のクリアを目指して

（24.12ベース）

企業レーティングの定義：当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A：良好である、B：一定の努力を要する、C：相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

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https://www.belletk.com/ADWG202503.pdf

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