今週のポイント
豪ドル/円や豪ドル/米ドル、豪ドル/NZドルは、19-20日に開かれるRBA(豪中銀)の政策会合が材料になると考えられます。市場では0.25%の利下げが決定されると予想されており、注目点はRBAの先行きの金融政策について声明や総裁会見でどのようなヒントが示されるのか?になりそうです。
カナダの4月CPI(消費者物価指数)が20日に発表されます。この結果を受けて市場のBOC(カナダ中銀)の金融政策見通しがどのように変化するか注目です。
格付け会社ムーディーズは16日(17日朝)、米国の格付けを最上位の「Aaa」から1段階引き下げ「Aa1」とすると発表しました。これが市場で引き続き意識される場合、米ドルが全般的に軟調に推移する可能性があります。
トランプ関税や米中を含めて貿易協議について新たなニュースが出てくれば、材料になりそうです。最近の外為市場では、トランプ関税が軽減されるとの期待が市場で高まる場合には、米ドルが強含む傾向がみられます。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07000NZドル~1.10000NZドル>
19-20日にRBA(豪中銀)の政策会合が開かれます。この結果に豪ドル/NZドルが反応しそうです。
RBAは2月に0.25%の利下げを実施した後、前回4月1日の会合では政策金利を4.10%に据え置きました。
前回会合の議事録では「5月の会合は金融政策の設定を再検討する好機になる」との認識が示されました。また、豪州の1-3月期CPI(消費者物価指数)でトリム平均値は前年比2.9%と、前四半期の3.3%から上昇率が鈍化し、約3年ぶりにRBAの目標レンジ(2~3%)に収まりました。市場では、19-20日の会合で0.25%利下げすることが決定されるとの見方が大勢です。
その通りの結果になれば、RBAの声明やブロック総裁の会見が材料になりそうです。市場では、7月(6月はRBA会合なし)~12月にさらに0.50%(8月と11月にそれぞれ0.25%)の利下げが行われるとの見方が有力です。声明や総裁会見でさらなる利下げに慎重な姿勢が示されれば、追加利下げ観測が市場で後退するとともに、豪ドル/NZドルが堅調に推移しそう。豪ドル/NZドルの上値メドとして200日移動平均線(19日時点で1.09739NZドル)が挙げられます。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.37500カナダドル~1.40500カナダドル>
格付け会社ムーディーズによる米国の格下げが市場で引き続き意識されれば、 米ドル/カナダドルは軟調に推移する可能性があります。
BOC(カナダ中銀)は24年6月から前々回25年3月の政策会合まで7回連続で利下げ(合計2.25%)を実施。前回4月16日の会合では政策金利を2.75%に据え置きました。次回6月4日の会合については、市場の見方がやや分かれているようです。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が16日時点で織り込む次回会合の確率は、“0.25%の利下げが約6割”、“政策金利の据え置きが約4割“です。
カナダの4月CPIが市場予想を上回る結果になれば、BOCの次回会合での利下げ観測が後退しそう。その場合にはカナダドルのプラス材料になると考えられます。
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