【IRアナリストレポート】メディカルシステムネットワーク(4350)

著者:鈴木 行生
投稿:2025/05/21 13:51

~薬局のネットワーク事業で業界 No.1、地域薬局支援事業を拡大~

【ポイント】
・今2026年3月期は増益に転換しよう。医薬品ネットワーク部門などの薬局支援4部門が、地域薬局部門の収益をカバーしてくることによる。前期は、処方箋枚数の減少、仕入価格の上昇、人件費の上昇、医薬品物流部門への投資などが負担となり、薬局支援事業は順調であったが、コスト増をカバーできなかった。

・今2026年3月期は、中期計画の最終4年目に当たるが、営業利益目標の65億円には届かない。薬局支援部門は伸びてきたが、地域薬局部門の収益の落ち込みが想定を上回ったことによる。

・結果として、収益のリード役となってきた医薬品ネットワーク部門の4年間の増益要因がほぼ全額食われてしまった。ただ、薬局支援部門のネットワークはしっかり育ってきているので、次期計画においては、ここを成長ドライバーとして顕在化できるかどうかがカギとなろう。

・今期は、薬局支援4部門で、1)医薬品ネットワーク12000件(+997件)、2)医薬品製造販売9000店(+1819店)、3)医薬品物流3700件(+2128件)、4)デジタルシフト6850店(+830店)を目指す。

・薬局支援4部門のネットワーク効果の新たな追求である。実際、医薬品ネットワークで1.5万件、フェルゼンファーマ1.5万店、つながる薬局2万店、医薬品物流1万件を目指す中で、このサプライチェーンをいかに付加価値の高いバリューチェーンに変えていけるか。調剤薬局の500店は、そのモデル店として機能を発揮できるのか。

・ネットワークの和集合が積集合に転換していくとともに、付加価値の向上が図れ、生産性と収益性がついてくることになろう。次の10年では、薬局支援が本業となる企業を目指すことになろう。薬局支援事業が業績をリードするスピードが早まってくれば、株式市場での評価も高まってこよう。

目次
1.特色薬局に独自のネットワークシステムを築く
2.強み薬局のネットワークで圧倒的トップを確立
3.中期経営方針新たなプラットフォームによる企業価値創造に向けて
4.当面の業績 2026年 3月期は増益に転換へ
5.企業評価医薬品ネットワーク部門を柱とした連携効果に期待

メディカルシステムネットワーク <4350>
企業レーティング
株価
(2025年5月20日)
436円
時価総額 134億円
(30.64百万株)
PBR 0.78倍
ROE 8.0%
PER 9.8倍
配当利回り 2.8%
総資産 70586百万円
純資産 16345百万円
自己資本比率 23.0%
BPS 556.3円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2017.3 88865 2113 2109 571 19.3 10.0
2018.3 93977 3163 3250 1022 34.5 10.0
2019.3 98232 1428 1501 462 15.3 10.0
2020.3 105241 1615 1560 -895 -29.5 10.0
2021.3 104257 3429 3479 2198 72.5 10.0
2022.3 106685 3852 4313 2394 79.4 12.0
2023.3 109551 3163 3355 1610 53.4 12.0
2024.3 115361 3832 3825 1860 61.9 12.0
2025.3 122387 3154 3162 1262 43.2 12.0
2026.3(予) 125500 3400 3200 1300 44.5 12.0
2027.3(予) 132000 4000 3800 1700 58.2 14.0

(2025.3ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。

企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/medelikarusisutemuneltutowa%2dku202505.pdf

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム

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