今週のポイント
トランプ米大統領は5月30日、「米国に輸入される鉄鋼・アルミニウムに課す追加関税を25%から50%(2倍)に引き上げる」と表明。6月4日に発動するとしました。
鉄鋼・アルミ関税が実際に引き上げられるなどして米中や米EUなどの貿易摩擦激化への懸念が強まれば、リスクオフ(リスク回避)が強まるかもしれません。その場合、豪ドル/円やNZドル/円などのクロス円に対して下押し圧力が加わる可能性があります。
今週は、RBA(豪中銀)議事録や豪州の1-3月期GDPが発表されます。それらがRBAの追加利下げ観測を高める内容になるのかどうか注目です。
カナダドルについては、4日のBOC(カナダ中銀)会合が材料になりそう。市場では、0.25%の利下げが決定されるとの見方がやや優勢です。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07000NZドル~1.09000NZドル>
RBNZ(NZ中銀)は5月28日の政策会合で0.25%の利下げを行うことを決定しました。利下げは6会合連続です。
ただし、今回の会合では“政策金利を据え置く”ことも検討されました。また、声明では先行きの金融政策について「国内外の動向に対応する態勢が整っている」とされ、4月会合時の「必要に応じて政策金利をさらに引き下げる余地がある」から修正されました。政策会合の結果を受け、市場ではRBNZの追加利下げ観測が後退。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、RBNZは12月末までにあと1回0.25%利下げするとの見方が市場では優勢です(5/30時点)。
一方、RBA(豪中銀)の金融政策については、同じくOISによると、市場では12月末までにあと3回合計0.75%利下げするとの見方が優勢です(5/30時点)。
市場のRBAとRBNZの金融政策見通しから見れば、豪ドル/NZドルには下落圧力が加わりやすいと考えられます。今週は、3日にRBA議事録(5/19-20日会合分)が公表され、4日に豪州の1-3月期GDPが発表されます。それらを受けてRBAの追加利下げ観測が一段と高まる場合、豪ドル/NZドルは下値を試す展開になりそうです。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.35000カナダドル~1.39000カナダドル>
4日にBOC(カナダ中銀)の政策会合が開かれます。その結果にカナダドルが反応しそうです。
BOCは24年6月から25年3月にかけて7会合連続合計2.25%の利下げを実施。前回4月の会合では政策金利を2.75%に据え置きました。
カナダの4月CPI(消費者物価指数)はトリム値が前年比3.1%、中央値が同3.2%と、上昇率はいずれも前月(それぞれ2.9%と2.8%)から高まりました。その一方で、トランプ政権による関税はカナダ経済に大きな打撃を与える可能性があります。今回の会合について市場では、0.25%の利下げが行われるとの見方がやや優勢です。
BOCの声明やマックレム総裁の会見にも注目です。それらでは7月以降の会合についてどのようなヒントが示されるのかが焦点になりそうです。会合で政策金利が据え置かれて、さらに7月以降の追加利下げ観測が市場で後退する場合、カナダドルのプラス材料になると考えられます。
トランプ政権の関税や減税についてのニュース、雇用統計など米経済指標の結果にもよるものの、米ドル/カナダドルは200週移動平均線(6/4時点で1.34102カナダドル)に向かって下落する可能性があります。
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