~バスのAFC(運賃システム)、TMS(運行管理システム)で先進~
・新紙幣対応の運賃収受システムの需要増が一巡して、今2026年3月期の業績は大きく落ち込もう。運賃収受システムでは、ソフトの入れ替えが先行した。運賃箱の代替需要は今期も継続するが、採算はソフトの方が高いので、その影響も出よう。
・一方で、米国での地下鉄向け灯具や路線バス向けAFC(運賃収受システム)の納入が本格化し、念願であった海外部門の黒字化が実現しよう。トランプ関税の影響が懸念されるが、バイアメリカン対応はこれまでも進めてきたので、乗り切ることができよう。
・大手バス会社は人流の回復を反映して投資意欲を高めており、ドライバーの人員不足への対応も含めて、バスのTMS(運行管理システム)のIT/DX化を加速させようとしている。それに伴い、新規分野の開発や投資も活発化しつつある。
・MaaSの一翼を担う当社の路線バス運行支援システム「LIVU」(ライブ)やキャッシュレス決済端末、バスターミナルでの発着情報に利用されるCMP(コンテンツ・マネージメント・プラットフォーム)も市場が広がっている。
・公共交通事業者向けの新しいプラットフォーム「MoveLe(ムーブル)」のコンセプトが公表された。1)乗客の利便性向上、2)運行管理の効率化、3)収益向上の支援に向けて、データ分析、運行計画最適化、観光向け集客支援、多言語対応機器などの新たなソリューションが事業化されよう。新規事業で50億円の市場獲得を目指す。
・米国では大型の受注に成功し、バスの運賃箱の納入が2026年3月期から本格化しよう。米国でのAFCのシェアは3%程度であるが、2030年にはシェア10%の6500台を目指す。その基盤作りはできつつある。
・10年ビジョンを策定し、2030年度で売上高300億円、営業利益率10%を目指す。前期から第2フェーズの新3ヵ年計画がスタートした。AFC(自動運賃収受システム)+TMS(運行管理システム)+EMS(エネルギーマネジメントシステム)を事業のコアに、「モノ+コト」のビジネスモデル創りに邁進していく。そのテンポに注目したい。
目次
1.特色 情報処理(非接触ICカード利用)、電力変換(電源)、 光(LED)が得意
2.強み バスの運賃収受システムで国内シェア6割を有するトップメーカー
3.中期経営計画 10年ビジョンと新中期計画でMaaSと海外市場開拓を推進
4.当面の業績 今期は大幅減益ながら、海外部門が念願の黒字化へ
5.企業評価 新規受注案件の仕上がりに注目
| 企業レーティング | B |
|---|---|
| 株価 (2025年6月9日) |
431円 |
| 時価総額 | 68億円 (15.89百万株) |
| PBR | 0.66倍 |
| ROE | 7.9% |
| PER | 8.3倍 |
| 配当利回り | 3.1% |
| 総資産 | 20403百万円 |
| 純資産 | 10100百万円 |
| 自己資本比率 | 49.5% |
| BPS | 656.9円 |
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2016.3 | 16203 | -571 | -649 | -1378 | -125.3 | 7.5 |
| 2017.3 | 16985 | 483 | 354 | 50 | 4.6 | 7.5 |
| 2018.3 | 15749 | -235 | -248 | -454 | -40.9 | 7.5 |
| 2019.3 | 21538 | 1021 | 1030 | 438 | 38.8 | 8.5 |
| 2020.3 | 26051 | 1854 | 1830 | 891 | 74.4 | 8.5 |
| 2021.3 | 15553 | -40 | 35 | -124 | -9.8 | 5.0 |
| 2022.3 | 14075 | 149 | 325 | 53 | 4.2 | 5.0 |
| 2023.3 | 14253 | -310 | -207 | -249 | -19.2 | 5.0 |
| 2024.3 | 22684 | 3164 | 3557 | 2416 | 178.0 | 8.5 |
| 2025.3 | 25931 | 3531 | 3483 | 2255 | 152.2 | 20.0 |
| 2026.3(予) | 24000 | 1100 | 1100 | 800 | 52.0 | 13.5 |
| 2027.3(予) | 21000 | 1300 | 1300 | 850 | 55.3 | 13.5 |
(2025.3ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/reshiltupuHD202506.pdf
関連銘柄
| 銘柄 | 株価 | 前日比 |
|---|---|---|
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