[資源・新興国通貨6/16~20のポイント&注目通貨] 市場によるRBAとRBNZの金融政策見通しは変化するか
今週のポイント
イスラエルとイランの軍事衝突によって中東情勢が緊迫しています。中東情勢には引き続き要注意。中東情勢が一段と緊迫化する場合、リスクオフ(リスク回避)が強まるとともに、クロス円(豪ドル/円やNZドル/円など)に対して下押し圧力が加わりそうです。
原油価格の動向も材料になる可能性があります。米WTI原油先物は12日の夜間取引で一時77.62ドルへと上昇し、1月下旬以来およそ5カ月ぶりの高値をつけました。中東情勢次第で原油価格はさらに上昇する可能性があり、その場合にはカナダドルのプラス材料になるかもしれません。
日銀金融政策決定会合やFOMC(米連邦公開市場委員会)にも注目です。日銀の追加利上げ観測が後退する場合には円の、FRBの追加利下げ観測が高まる場合には米ドルのマイナス材料になりそうです。
19日には、豪州の5月雇用統計やNZの1-3月期GDP(国内総生産)が発表されます。それらの結果を受けて、RBA(豪中銀)やRBNZ(NZ中銀)の先行きの金融政策について市場の見方が変化するかに注目です。
同じく19日にTCMB(トルコ中銀)の政策会合が開かれます。TCMBは前回4月の会合で主要政策金利の1週間物レポ金利を42.50%から46.00%へと引き上げました。今回の会合については、政策金利は据え置かれるとの見方が市場では優勢です。
TCMBの声明にも注目です。4月会合の声明では、「インフレ率の持続的な鈍化によって物価の安定が達成されるまで、引き締め的な金融政策スタンスを維持する」、「インフレ率の大幅かつ持続的な悪化が見込まれる場合、金融政策スタンスを(さらに)引き締める」などとされました。
TCMBのタカ派的な金融政策スタンスが今回変化しなければ、トルコリラのプラス材料になりそうです。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.07000NZドル~1.08500NZドル>
豪州の5月雇用統計とNZの1-3月期GDP(国内総生産)が19日に発表されます。それらの結果に豪ドル/NZドルが反応しそうです。
RBA(豪中銀)とRBNZ(NZ中銀)の先行きの金融政策について市場の見方には差があります。OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場では12月末までにRBAは合計0.75%(0.25%×3回)の追加利下げを、RBNZは合計0.25%(0.25%×1回)の追加利下げを行うとの見方が優勢です。
豪州の雇用統計とNZのGDPの結果を受け、市場による両中銀の金融政策見通しがどのように変化するかに注目です。仮にRBAの追加利下げ観測が高まる一方で、RBNZの追加利下げ観測が後退する場合、豪ドル/NZドルには下落圧力が生じそう。豪ドル/NZドルは、1.07253NZドル(6/3安値)を割り込むかもしれません。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.34000カナダドル~1.38000カナダドル>
米ドル/カナダドルは6月13日に一時1.35645カナダドルへと下落し、24年10月上旬以来の安値をつけました。米国景気の先行きへの懸念のほか、中東情勢をめぐる懸念による原油価格上昇が、米ドル/カナダドルに対する下落圧力となりました。
今週は17-18日のFOMCや原油価格の動向が材料になりそうです。FOMCの結果を受けてFRBの追加利下げ観測が高まる、あるいは原油価格が引き続き堅調に推移する場合、米ドル/カナダドルは一段と下落しそう。米ドル/カナダドルの下値メドとして、200週移動平均線(6/16時点で1.34192カナダドル)が挙げられます。
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