『夏枯れ相場』脱却となるか
【注目ポイント】「147.900円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートでの下値サポートなら、「150.000円」付近までの上昇
【シナリオ②】同レート割れなら、「146.220円」付近までの下落となりそう
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「146.220~150.000円」
【注目材料】パウエルFRB議長の講演@ジャクソンホール会議
今月1日のいわゆる“雇用統計ショック”で大陰線が出現した米ドル/円。以後の動きは約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MA(移動平均線)付近の狭い範囲内を往って来いとなる相場付きに。ここもと(上図黄色四角枠)の動きはまさに『夏枯れ相場』と言って良いでしょう。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 上述した21日MAが横向きであること、2) 遅行スパンがローソク足と絡み合う状態になっていること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)があること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で僅かながら-DI>+DIとなり、ADXが横ばいでの推移となっている(上図青色点線丸印)となっていることから、現在の米ドル/円・日足チャートは上下圧力が拮抗するレンジ相場を示すチャート形状であると判断します。
目先の注目ポイントは・・・21日MAおよび青色雲の上辺である先行1スパンをメドとする「147.900円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「147.900円」で下値サポートされた場合は、「基準線での下値固め」→「上値切り上げ」となりそうです。当該ケースでは、「200日MA(≒149.100円)超え」や「遅行スパンの上放れ」、また「+DI>-DIへの変化」なども伴いながら、BB(ボリンジャーバンド)・+2σラインのやや上方をメドとする「150.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇となりそうです。
[シナリオ②]
一方で、「147.900円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「基準線割れ」→「下値切り下げ」となりそうです。当該ケースでは、「(青色雲の下辺である)先行2スパン(≒146.770円)割れ」や「遅行スパンのローソク足への絡み合い継続」、また「-DI>+DIの乖離拡大」なども伴いながら、BB・-2σラインをベースとする「146.220円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落となりそうです。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下の米ドル/円は方向感を模索する相場付きとなる中、当面※は「146.220~150.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
足もとでは、日本時間本日午後11時から予定されているジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容が米ドル/円の相場動意となりそうです。市場参加者の耳目は「9月以降のFOMCにおいての金融政策スタンスに関するヒントが出るか否か」に集中していると言って良いでしょう。したがって、今夜のパウエル議長の発言内容や市場参加者の受け取り方次第では、想定以上のボラティリティが発生する可能性には十分留意すべきでしょう。
最新人気記事
-
来週の株式相場に向けて=年内最後のFOMCに関心、ブロードコム決算... 12/05 17:40
-
東京株式(大引け)=536円安と4日ぶり反落、主力株に利益確定売り膨らむ 12/05 16:13
-
来週の主なマーケットイベント 12/05 16:00
-
リガクHDが3連騰、次世代半導体向け計測装置の販売開始を引き続き材料視 12/05 09:26
-
東京株式(前引け)=前日比563円安、プライム市場の7割超の銘柄が下落 12/05 11:51

