今週のポイント
パウエルFRB議長は22日の講演で、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げする可能性を示しました。今後発表される米国の経済指標の結果を受けてFRBによる追加利下げ観測が市場で一段と高まる場合、米ドルが全般的に軟調に推移して、米ドル/カナダドルは下値を試し、一方で豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは上値を試す展開になると考えられます。
日米など主要国の株価動向にも注目です。22日の米株式市場では、FRBによる追加利下げ観測などからダウが史上最高値を更新しました。主要国の株価が全般的に堅調に推移すれば、リスクオン(リスク選好)が強まるかもしれません。リスクオンが強まる場合、豪ドル/円やNZドル/円などのクロス円が堅調に推移する可能性があります。
RBA(豪中銀)議事録が26日に公表され、豪州の7月CPIが27日に発表されます。それらを受けてRBAによる追加利下げ観測が高まるのか、それとも後退するのか注目です。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09500NZドル~1.11000NZドル>
RBNZ(NZ中銀)は8月20日の政策会合で0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を3.25%から3.00%へと引き下げました。
今回はハト派的な利下げと言えそうです。会合ではより大幅な0.50%利下げすることも検討されました。また、政策メンバーの意見がまとまらずに投票が実施されて、4人が0.25%の利下げに賛成し、2人は0.50%の利下げを支持しました。RBNZによる政策金利見通しでは、今回の利下げサイクルの最終到達点が5月時点の2.85%から2.55%へと下方修正されました。それらはNZドルにとってマイナス材料と考えられます。
一方で、市場ではRBA(豪中銀)の追加利下げ観測があります。RBAは25年2月・5月・8月と3カ月ごと(2会合に1回)にそれぞれ0.25%の利下げを実施してきました。市場では、次々回11月の会合で0.25%の追加利下げが行われるとの見方が有力です。
今週は、26日にRBA(豪中銀)議事録が公表され、27日に豪州の7月CPIが発表されます。今回の議事録は、0.25%利下げすることを決定した8月11-12日のRBA会合のものです。それらを受けてRBAによる追加利下げ観測が高まる場合、豪ドル/NZドルは上値が重くなる可能性があります。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.37000カナダドル~1.39500カナダドル>
パウエルFRB議長は22日の講演で、「金融政策を調節することが正当化されるかもしれない」と述べまました。
今週の米ドル/カナダドルは、FRBによる追加利下げ観測が一段と高まるかどうかがポイントになりそうです。米国の経済指標が弱い結果になるなどして追加利下げ観測が一段と高まれば、米ドル/カナダドルは下値を試す展開になると考えられます。
29日発表のカナダの4-6月期GDP(国内総生産)も材料になる可能性があります。市場では、BOCは次々回10月の会合で追加利下げを行うとの観測があります。カナダのGDPの結果を受けてBOCによる追加利下げ観測が後退する場合、米ドル/カナダドルには一段の下押し圧力が生じるかもしれません。
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