[資源・新興国通貨9/16~19のポイント&注目通貨] FOMCとBOC政策会合に注目

著者:八代和也
投稿:2025/09/16 12:02

今週のポイント

今週の豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは、16-17日のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果に大きく影響を受けそうです。FOMCの結果を受けてFRBによる積極的な利下げ観測が市場で後退する場合、米ドルが全般的に堅調に推移するとともに、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルには下落圧力が生じると考えられます。

BOC(カナダ中銀)の政策会合が17日に開かれます。市場では0.25%の利下げがほぼ確実視されており、BOCの声明やマックレム総裁の会見が材料になりそうです。米ドル/カナダドルについては、FOMCとともにBOC会合にも注目です。

主要国の株価動向も材料になるかもしれません。FRBによる積極的な利下げ観測が後退する場合、主要国株価には下落圧力が生じそうです。株価が大きく下落するようなら、リスクオン(リスク選好)が後退して、対円の通貨ペアは軟化する可能性があります。

18日には、SARB(南アフリカ中銀)の政策会合が開かれます。市場では政策金利は7.00%に据え置かれるとの見方が有力です。ただ、一部に0.25%利下げするとの見方もあるため、仮に政策金利が据え置かれれば、南アフリカランドにとってのプラス材料になるかもしれません。

今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.10500NZドル~1.13000NZドル>

8月20日に開かれたRBNZ(NZ中銀)の政策会合以降、豪ドル/NZドルは上昇傾向になっています。9月15日には一時1.11736NZドルへと上昇し、24年11月下旬以来およそ10カ月ぶりの高値をつけました。

RBNZは8月の会合で0.25%利下げすることを決定しました。その結果は市場予想どおりだったものの、会合では、より大幅な0.50%の利下げを行うことも検討されたほか、6人の政策メンバーの意見がまとまらずに投票が実施されて2人が0.50%の利下げを支持しました。また、RBNZによる政策金利見通しでは、今回の利下げサイクルの最終到達点が5月時点の2.85%から2.55%へと0.30%下方修正されました。それらが足もとの豪ドル/NZドル上昇の主な要因になっていると考えられます。

OIS(翌日物金利スワップ)によると、市場ではRBNZは次回10月8日と次々回11月26日の会合でそれぞれ0.25%の追加利下げを行うとの見方が有力です。

9月18日にNZの4-6月期GDP(国内総生産)が発表されます。その結果を受けてRBNZによる追加利下げ観測が後退すれば、豪ドル/NZドルは軟調に転じる可能性があります。

今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.35000カナダドル~1.40000カナダドル>

今週の米ドル/カナダドルは、16-17日のFOMCと17日のBOC政策会合の結果が材料になりそうです。

BOC会合については、市場では0.25%の利下げが行われると予想されています。会合における注目点は、BOCの声明や会合後のマックレム総裁の会見で、10月以降の金融政策についてどのようなヒントが示されるか。市場では10月の会合でも0.25%の利下げが行われるとの観測があります。

マックレム総裁の会見などがその観測を高める内容になれば、カナダドルにとってのマイナス材料になりそう。その一方でFOMCの結果を受けて米ドル高圧力が全般的に強まる場合、米ドル/カナダドルは200日移動平均線(9/15時点で1.40133カナダドル)に向かって上昇しそうです。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想