今週のポイント
トランプ米大統領は17日放送のFOXビジネス・ネットワークで、11月1日発動予定の100%の対中追加関税について「持続可能ではない」と発言。また、10月31日と11月1日に韓国の慶州で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議にあわせて中国の習近平国家主席と会談する考えを示しました。
米国と中国の貿易摩擦に関するニュースに引き続き注目です。新たなニュースによって両国の貿易摩擦への懸念が市場で和らげば、リスクオフ(リスク回避)が後退するとともに、投資家のリスク意識の変化を反映しやすい豪ドルやNZドルにとってのプラス材料になると考えられます。
24日にブロックRBA(豪中銀)総裁が講演する予定。講演によってRBAの追加利下げ観測がどのように変化するのか注目されます。
23日にはTCMB(トルコ中銀)の政策会合が開かれます。TCMBは前々回7月に3.00%、前回9月の会合で2.50%の利下げをそれぞれ実施。現在の政策金利は40.50%です。
トルコの9月CPI(消費者物価指数)は前年比33.29%と、8月の32.95%から上昇率が高まりました。CPI上昇率は8月まで15カ月連続で鈍化していました。市場では23日のTCMB会合について、利下げ幅が1.00%に縮小されるとの見方が優勢です。利下げ幅が市場予想よりも小さければ、トルコリラにとってプラス材料になるかもしれません。
今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.12500NZドル~1.14500NZドル>
16日に発表された豪州の9月雇用統計では失業率が4.5%と、8月の4.3%(4.2%から上方改定)から悪化。21年11月以来およそ4年ぶりの高水準となりました。8月のRBA(豪中銀)金融政策報告では、27年12月までの見通し期間で失業率のピークは4.3%と予測されており、それを上振れました。
失業率の弱い結果を受けて市場ではRBAによる追加利下げ観測が高まりました。OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、17日時点で市場が織り込む次回11月3-4日のRBA会合での利下げ確率は8割程度。15日時点の確率は4割強でした。
RBAのブロック総裁が24日に講演する予定です。ブロック総裁の講演では次回会合についてのヒントが提供されるかに注目。講演内容を受けてRBAによる早期利下げ観測が市場で一段と高まる場合、豪ドル/NZドルは軟調に推移しそうです。
今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.39000カナダドル~1.41000カナダドル>
今週は、21日にカナダの9月CPI(消費者物価指数)、24日に米国の9月CPIが発表されます。それらの結果に米ドル/カナダドルが反応しそうです。
BOC(カナダ中銀)は前回9月17日の政策会合で0.25%利下げすることを決定。政策金利を2.75%から2.50%へと引き下げました。マックレムBOC総裁は会合後の会見で「リスクが一段と傾く場合、さらに行動する用意がある」と述べ、追加利下げに含みを持たせました。
市場では、BOCは次回10月29日の会合で0.25%の追加利下げを行うとの見方が優勢。OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、17日時点で市場が織り込む次回会合での利下げ確率は約8割です。
カナダのCPIが市場予想を下回る結果になれば、BOCの追加利下げ観測が一段と高まるとともに、カナダドルにとってのマイナス材料になりそうです。ただ、市場では、FRBは年内2回のFOMC(米連邦公開市場委員会)でそれぞれ0.25%の利下げを行うと予想されています。米国のCPIの結果を受けてその観測が補強される場合、米ドル/カナダドルはそれほど上昇しない可能性があります。
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