Chordia Research Memo(5):rogocekibの第1/2相臨床試験は拡大コホートを実施(2)
配信元:フィスコ
投稿:2025/11/20 12:05
*12:05JST Chordia Research Memo(5):rogocekibの第1/2相臨床試験は拡大コホートを実施(2)
■Chordia Therapeutics<190A>の開発パイプライン
(2) 2次治療以降のAML治療薬としての潜在市場規模
AMLの患者数は日米欧の主要国で年間5万人程度と推計されており、このうち一次治療の効果がない、または再発した患者が2次治療に進むことになる。その確率は最大で50%と見ており、このうち治療薬のある遺伝子変異(FLT3、IDH1/2等)を持たない患者と、当該治療薬が効かずに3次治療へ進む患者がrogocekibの最初のターゲットとなる。同社では最大で約1.8万人の患者数がターゲットになると試算している。
これらターゲット患者数に、既存薬を参考にした1日当たり薬価(4万円〜9.1万円)と平均治療期間(約270日)を掛け合わせたものが潜在市場規模となり、計算では2,000〜4,000億円となる。また、AMLの患者数は、増加傾向にあり、潜在市場規模の同様のペースで拡大すると見られる。既に上市している競合品もあるが、臨床試験の結果次第では先行品を上回るシェアを獲得できる可能性もあり、成長ポテンシャルは大きいと言える。また、2次治療以降のAML治療薬として販売承認が得られれば、1次治療やその他のがん種にも順次適応拡大を進め、製品価値の最大化を図る。
(3) 国内の製造販売体制と海外戦略
日本では自社で製造販売する方針で、製造については2022年に協業契約を行ったシオノギファーマに委託する意向だ。また、物流や販売促進活動については業務提携先のメディパルホールディングスが担うことになる。一方、米国等での販売についてはグローバル製薬企業と販売ライセンス契約を締結して市場を開拓する方針で、既に複数社と秘密保持契約(NDA)を結んで情報提供を行っている。既述のとおり、第1相パートの中間成績結果をもって導出活動を本格的に開始する予定で、早ければ2027年8月期中にもライセンス契約締結の可能性がある。同社では製品価値が最大化するような有利な条件を引き出し、ライセンス契約に結び付けたい考えだ。
(4) CLK阻害薬の競合他社の状況
CLK阻害薬を開発しているバイオベンチャーが米国に2社あるが、現段階ではいずれも脅威にはならないと同社では見ている。Biospliceで実施した第1相臨床試験の結果は、単剤投与で奏功率0%という結果に終わっており(6名の患者で10%以上の腫瘍サイズ縮小を確認)、現在は医師主導の臨床試験をサルコーマ(肉腫)など固形がんで実施するにとどまっており、有効性をしっかりと示せていない状態と言える。また、BlossomHill TherapeuticsはAMLを対象とした第1/1b相臨床試験(予定症例数170名)を2024年6月より開始しており、2026年に完了する見込みとなっている。同社から見ると5年程度遅れており、さらに薬剤もCLK以外のキナーゼを阻害するマルチキナーゼ阻害薬となっているため、副作用リスクが大きくなるリスクも持つと見られる。
CLK阻害薬の開発では同社が最も先行している状況となっており、物質特許もすでに世界主要51ヶ国で権利化済みとなっている。このため、臨床試験で良好な結果を示せればビッグディールにつながる可能性があり、2026年中頃に発表が見込まれる第1相パートの中間成績の内容が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2) 2次治療以降のAML治療薬としての潜在市場規模
AMLの患者数は日米欧の主要国で年間5万人程度と推計されており、このうち一次治療の効果がない、または再発した患者が2次治療に進むことになる。その確率は最大で50%と見ており、このうち治療薬のある遺伝子変異(FLT3、IDH1/2等)を持たない患者と、当該治療薬が効かずに3次治療へ進む患者がrogocekibの最初のターゲットとなる。同社では最大で約1.8万人の患者数がターゲットになると試算している。
これらターゲット患者数に、既存薬を参考にした1日当たり薬価(4万円〜9.1万円)と平均治療期間(約270日)を掛け合わせたものが潜在市場規模となり、計算では2,000〜4,000億円となる。また、AMLの患者数は、増加傾向にあり、潜在市場規模の同様のペースで拡大すると見られる。既に上市している競合品もあるが、臨床試験の結果次第では先行品を上回るシェアを獲得できる可能性もあり、成長ポテンシャルは大きいと言える。また、2次治療以降のAML治療薬として販売承認が得られれば、1次治療やその他のがん種にも順次適応拡大を進め、製品価値の最大化を図る。
(3) 国内の製造販売体制と海外戦略
日本では自社で製造販売する方針で、製造については2022年に協業契約を行ったシオノギファーマに委託する意向だ。また、物流や販売促進活動については業務提携先のメディパルホールディングスが担うことになる。一方、米国等での販売についてはグローバル製薬企業と販売ライセンス契約を締結して市場を開拓する方針で、既に複数社と秘密保持契約(NDA)を結んで情報提供を行っている。既述のとおり、第1相パートの中間成績結果をもって導出活動を本格的に開始する予定で、早ければ2027年8月期中にもライセンス契約締結の可能性がある。同社では製品価値が最大化するような有利な条件を引き出し、ライセンス契約に結び付けたい考えだ。
(4) CLK阻害薬の競合他社の状況
CLK阻害薬を開発しているバイオベンチャーが米国に2社あるが、現段階ではいずれも脅威にはならないと同社では見ている。Biospliceで実施した第1相臨床試験の結果は、単剤投与で奏功率0%という結果に終わっており(6名の患者で10%以上の腫瘍サイズ縮小を確認)、現在は医師主導の臨床試験をサルコーマ(肉腫)など固形がんで実施するにとどまっており、有効性をしっかりと示せていない状態と言える。また、BlossomHill TherapeuticsはAMLを対象とした第1/1b相臨床試験(予定症例数170名)を2024年6月より開始しており、2026年に完了する見込みとなっている。同社から見ると5年程度遅れており、さらに薬剤もCLK以外のキナーゼを阻害するマルチキナーゼ阻害薬となっているため、副作用リスクが大きくなるリスクも持つと見られる。
CLK阻害薬の開発では同社が最も先行している状況となっており、物質特許もすでに世界主要51ヶ国で権利化済みとなっている。このため、臨床試験で良好な結果を示せればビッグディールにつながる可能性があり、2026年中頃に発表が見込まれる第1相パートの中間成績の内容が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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