足もとでは上昇モメンタムがやや軟化する可能性も
【注目ポイント】「100.500円」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートでの下値サポートなら、「103.000円」付近までの上昇も
【シナリオ②】同レート割れなら、「99.300円」付近までの下落も視野に
【当面の“主戦場”(コアレンジ)】「99.300~103.000円」
昨日(20日)、豪ドル/円は昨年11月7日に付けた高値水準である「102.348円」を突破し、一時「102.419円」まで上昇。これからの時間にかけて、同7月24日以来となる「103円台」到達も視野に入る状況となっています。
上図の各メルクマールをそれぞれ見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方で推移していること、3) ローソク足の下方に青色雲(=サポート帯、先行スパン)およびパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)があること、そして4) DMI(方向性指数)でADX・+DI・-DIが収斂する状態(上図赤色点線丸印)になっていることから、現在の豪ドル/円・日足チャートは上昇トレンド継続を示すチャート形状であると判断します。
他方、ⅰ) ローソク足がBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインと同・+2σラインの間を推移する“上昇バンドウォーク”となっているものの、ⅱ) BB・±2σラインが収縮する“スクイーズ”の兆候を見せていること、さらにはⅲ) 上述したDMIにおいてADXが低位置での推移となっていることを勘案すると、豪ドル/円の上昇モメンタムが足もとではやや弱まる可能性もありそうです。
そんな中、足もとでの注目ポイントは・・・約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAならびに青色雲の上辺である先行1スパンをメドとする「100.500円」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が想定する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
この先、「100.500円」で下値サポートされた場合は、「上昇バンドウォークの継続」→「上値切り上げ」となりそうです。当該ケースでは、「(BB・±2σラインの拡張である)エクスパンションへの変化」や「遅行スパンの上放れ」、また「+DI>-DIへの変化」なども伴いながら、上述した昨年7月24日以来の高値水準である「103.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上昇を想定すべきでしょう。
[シナリオ②]
一方で、「100.500円」を終値ベースで割り込んだ場合は、「下値基準線割れ」→「もう一段の下値切り下げ」となる可能性も。当該ケースでは、「SARの売りサインへの転換」や「遅行スパンのローソク足への近接」、また「+DIと-DIとの収斂継続」なども伴いながら、BB・-2σラインおよび青色雲の下辺である先行2スパンをメドとする「99.300円」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。ただし、現状では青色雲が厚い形状(=下値しっかりを示唆)となっているため、下値余地は限定的でしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、現下の豪ドル/円はもう一段の上値追いを模索する相場付きとなる中、当面※は「99.300~103.000円」を“主戦場”(コアレンジ)とする動きになりそうです。 (※ここでの「当面」は、1~2週間のスパンを想定しています。)
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