為替相場まとめ12月15日から12月19日の週
15日からの週は、主要中銀の政策発表が相次ぎ、各国の金融政策の差異がより鮮明となった。週序盤、市場の関心は日銀の利上げ見通しに集中した。木原官房長官の発言や良好な日銀短観の結果を受けて利上げ期待が一時96%まで急上昇。4中銀の中で唯一「利上げ」に舵を切る日銀への期待感から、ドル円は154円台へと円高が進行した。一方、前週の米FOMCですでに3会合連続となる利下げを決定していた米FRBは、雇用統計や消費者物価指数(CPI)がインフレの鈍化を示す内容となったことで、労働市場の冷え込みに応じた「慎重な緩和継続」の姿勢を改めて市場に意識させた。週半ばから後半にかけては、欧州勢の対応が分かれた。11月の英CPI下振れを受けた英中銀は、18日の会合で5対4の僅差ながら0.25%の「利下げ」を断行し、政策金利を3.75%へと引き下げた。これに対し、同日のECBは「据え置き」を選択。ラガルド総裁が利下げサイクル終了の可能性を示唆するタカ派的な姿勢を見せたことで、英欧間での温度差が際立つ結果となった。金曜日の日銀決定会合では予想通り政策金利を引き上げたが、植田日銀総裁会見では次回利上げについての明言はなく、円売りが強まった。週末にかけては日米金利差縮小をにらんだ円買いと、根強い円キャリー取引の思惑がせめぎ合うなかで、円売りが勝利を収めている。ドル円157円、ユーロ円184円、ポンド円210円などを上回る円安となる場面があった。
(15日)
東京市場で、週明けのドル円は、先週末終値の155.81付近から堅調に始まり、仲値に向けて155.99付近まで上値を伸ばした。しかし、156円の大台に乗せられず調整が入ると一転して円高が加速。木原官房長官が「金融政策は日銀に委ねる」と述べたことが利上げ容認と受け止められたほか、NZ中銀総裁の発言によるNZドル安がクロス円全般に波及した。日銀の利上げ期待は一時96%まで急上昇し、ドル円は155.00付近まで急落。ユーロ円も183.04付近から181.86付近へ、ポンド円も208.59付近から207.12付近へと1円以上の大幅な下げを記録した。円主導の展開となったため、ユーロドルは1.17台前半、ポンドドルは1.33台後半で小動きにとどまり、クロス円の全面安が際立つ市場となった。
ロンドン市場では、東京市場での円買いの流れを引き継ぎ、円高水準での売買が交錯した。ドル円は154.94付近まで安値を広げた後、一旦は155.30付近まで買い戻されたが、足元では再び154.85付近へ下落。市場では週末の日銀会合での利上げ観測が支配的で、木原官房長官の従来通りの発言も利上げ支持と解釈された。ユーロ円は181円台後半から182円台前半、ポンド円は207.10付近から207円台半ばへと揉み合う展開。他通貨では、ユーロドルが1.17台前半、ポンドドルが1.33台後半で推移し、ドルの上値が重いものの限定的な動きとなった。対ユーロでポンド買いが優勢となったものの、全体としては日銀の政策発表を前にした「円相場主導」の地合いが継続し、主要通貨ペアは東京時間からの大幅な円高水準を維持する形となった。
NY市場で、ドル円は日銀利上げ期待や米重要指標を控えたドル安から、一時154円台に下落した。日銀短観で大企業製造業の景況感が4年ぶりの高水準となったことも利上げを裏付けたが、155円割れでは根強い円安期待や金利差を背景とした押し目買いも観測された。ユーロドルは一時1.1770付近まで上昇。ECB理事会を控え、ラガルド総裁が利上げ観測を否定しなければユーロがさらに上昇するとの見方も出ている。ポンドドルは一時1.34ドル台に乗せたが、週末の英中銀会合での利下げ観測から1.33ドル台へ伸び悩んだ。米雇用統計やCPIを控え、FRBの追加利下げをにらんだドル売りの動きが見られる一方、円相場については、日米金利差から円キャリー取引の継続を予想する声もあり、円高と円安双方の思惑が交錯する展開となった。
(16日)
東京市場では、日銀の利上げ見通しによる円買いが続き、ドル安・円高が優勢。ドル円は前日安値を割り込み、154.68付近まで下落した。今晩の米雇用統計を前に一方的な動きへの警戒感もあり、155円台への反発を挟みながらも午後は再び円高傾向となった。ユーロ円は株安を背景に182.49付近から181.78付近へ、ポンド円も207.60付近から206.78付近へ軟調な動き。対照的にドルストレートは膠着し、ユーロドルは12ポイント、ポンドドルは23ポイントという極めて狭いレンジでの取引となった。全体として週末の日銀会合と今晩の米統計を控え、リスク回避の円買いと調整の動きが交錯する展開となった。
ロンドン市場で、ドル円は米雇用統計を控えた様子見ムードから、154円台後半で下げ渋った。一方、ポンドとユーロは経済指標に敏感に反応。英雇用統計で平均賃金が予想を上回り、PMI速報値も強含んだことからポンド買いが加速。ポンドドルは1.34台、ポンド円は208円手前まで上昇した。対してユーロ圏はドイツ製造業PMIの悪化やZEW景況感の現況指数悪化を受けてユーロ売りが優勢となり、ユーロドルは1.17台半ば、ユーロ円は182円付近に停滞した。米株先物や原油・金の下落など、重要指標を前にした警戒感が支配するなか、好調な英国経済指標をきっかけとしたポンドへのポジション調整が目立つ形となった。
NY市場では、注目された米雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を上回る一方、失業率は4.6%に上昇。労働市場の冷え込みを示す内容ながら、追加利下げを強力に裏付けるほどではなく、市場の利下げ期待に変化は見られなかった。ドル円は発表直後に154.40付近まで下落したが即座に反発。155円割れでは根強い円安期待や金利差を背景とした押し目買いが観測された。ユーロドルは一時1.18ドル台へ上昇したが伸び悩み、ユーロ円は181円台へ下落。ポンドドルは1.34ドル台半ばまで上昇し2カ月ぶりの高値を付けた。ただ、来年の英中銀の追加利下げや、スターマー政権の基盤弱体化といった政治リスクがポンドの逆風になる可能性も指摘されている。
(17日)
東京市場では、ドル円は午前中に米雇用統計を受けたドル売り・円買いにより154.52付近まで下落したが、その後反発。米債利回りの上昇や、日経平均のプラス転換、中国・香港株の堅調さを受けたリスク選好の円売りが支えとなった。また、金曜日の日銀会合を控え、行き過ぎたドル売りに対する警戒感も広がった。ドル円は前日高値を更新する155.31付近まで上昇。ドル高の流れを受け、ユーロドルは1.1722付近、ポンドドルは1.3381付近まで値を下げた。クロス円はドル円の上昇による円安の勢いが勝り、ユーロ円は182円台、ポンド円は207.80付近まで持ち直した。
ロンドン市場では、11月の英CPIが予想を下回る伸びとなり、英中銀の追加利下げ観測が高まったことでポンドが急落。ポンドドルは1.3312付近、ポンド円は207.06付近まで売り込まれた。このポンド売りが他通貨にも波及し、全面的なドル高を誘発。ドル円は155.60付近まで上昇し、ユーロドルは1.1703付近まで下値を広げた。米10年債利回りが4.17%台へ上昇したこともドルを支援した。ユーロ円はドル円の上昇に連れ、一時182.33付近まで買われた。独Ifo景況感の悪化やユーロ圏CPIの下方修正には反応薄だったものの、対ポンドではユーロ買いが優勢。市場は翌日の英欧中銀の政策発表を前に、ドル高の勢いが強まる展開となった。
NY市場で、ドル円は155.75付近まで続伸。ドル買い戻しに加え、日銀利上げ後も円キャリー取引が続くとの見方から円安が進行した。目先は21日線の156.00付近が意識されている。米雇用統計後の利下げ期待は来年2回で変わらず、日銀も今週の利上げは確実視されているが、市場はそれだけでは円高トレンドにはならないと見ている。ユーロドルは1.17台半ばで推移。ECBの据え置きが確実視されるなか、追加利下げの可能性が意識されユーロは不安定な動き。ポンドは英CPIでの急落後、NY時間に入りドル安が強まったことで1.34ドル台、208円台まで買い戻された。英CPIの鈍化で物価圧力が弱まっているとの見方が強まっている。
(18日)
東京市場では、明日の日銀会合を控えるなか、前日のドル高・円安の流れが継続。ドル円は東京朝方の155.43付近を安値に、押し目なく堅調に推移し、ロンドン勢の参入時には155.91付近まで上値を伸ばした。ユーロ円も同様に183円台に乗せるまで円売りが強まった。一方、ポンド円は本日の英中銀会合での利下げを織り込む動きから上値追いに慎重で、208.42付近とわずかな高値更新にとどまった。ドルストレートは小動きで、ユーロドルは1.1740付近を挟んで膠着、ポンドドルは1.33台後半で調整売りに上値を抑えられた。全体として日銀の利上げを控えつつも、足元の円売りの勢いが優勢な地合いとなった。
ロンドン市場では、英中銀とECBの政策発表を控え、調整や思惑によるユーロ・ポンド売りが先行。英CPIの下振れを受け、英中銀の票割れが6対3になる等の観測からポンドドルは1.3341付近まで下落。ユーロドルも1.1717付近まで値を下げた。ドイツの大規模国債発行計画もユーロの重石となった。ドル円は東京からのじり高歩調を引き継ぎ、156円目前の155.97付近まで上昇したが、米CPI発表待ちで大台乗せには至らなかった。ユーロ円は183.17付近まで買われた後、ユーロドルの下げに連れて182円台半ばへ反落。ポンド円も208.56付近の高値を付けた後に208円台を割り込むなど、主要通貨で乱高下が見られた。
NY市場では、米CPIが予想外の伸び鈍化となり、ドル売りで反応。ドル円は155.30付近へ下落した。CPIは政府閉鎖の影響で信頼性が疑われ、反応は一時的。明日の日銀会合では利上げが確実視されているが、市場は既に織り込んでおり、円高への転換点とは見ていない。中立金利の観点から利上げ余地は限定的との見方も多い。ECBは予想通り据え置き、利下げサイクル終了の認識が広まった。ユーロドルは1.1760付近へ上昇後に伸び悩み。英中銀は0.25%利下げし3.75%としたが、5対4の僅差。今後の利下げ判断の難しさを警告したことでポンドは往って来い。ポンド円は2008年以来の高値となる209円台を一時付けた。
(19日)
東京市場は、やや円安の動き。日銀は予想通り0.25%の利上げを決定し、政策金利は0.75%に。声明は前回を踏襲し「依然として緩和的」との文言が残された。ドル円は155.50付近で始まり、会合前に155.80付近まで上昇。発表直後は155.60付近まで下げたが、すぐに156.16付近まで反発した。利上げは織り込み済みで、材料出尽くし感から円売りが優勢に。10年債利回りは1.97%台から2.02%へ上昇し、一時円買いとなるも反応は限定的。ユーロ円は182.70付近から183.00付近へ反発、ポンド円は208.80付近で堅調。ユーロドルは1.171台前半、ポンドドルは1.338台で小動きとなっている。
ロンドン市場では、植田日銀総裁会見をきっかけに円売りが強まっている。日銀利上げが市場に織り込み済みだったことに加えて、植田日銀総裁が会見で中立金利下限までに距離があるとしつつも、次回利上げについて明言しなかったことが円売りを強めた。一気に円キャリー取引が再燃している。ドル円は157円の大台に乗せた。ユーロ円は184円台に乗せてユーロ導入以降の最高値を記録。ポンド円も210円の節目を突破して2008年以来の高値水準となった。記録ずくめの円相場と比較するとドル相場は蚊帳の外だ。ユーロドルは1.17台前半でやや上値重く推移。ポンドドルは1.33台後半と前日NY終値付近での揉み合いに終始している。この日はECB当局者の発言も相次いだが、概ね現状維持を肯定する論調にとどまり、相場に影響を与えなかった。
NY市場でドル円は買い優勢の動きが続き、157円台半ばまで上げ幅を拡大した。片山財務相がG7オンライン会合後に会見を行い、「為替動向は一方向で急激な動きで憂慮している。行き過ぎた動きには適切に対応」と述べていたことで、ドル円はNY時間に戻り売りが出ていたものの直ぐに切り返している。ドル円は本日の上げで21日線を一気に上抜けた。11月下旬からの調整トレンド終了の兆候も見られ、来週以降の動きが注目される。目先は11月20日の高値157.90付近が上値メドとして意識される。
(15日)
東京市場で、週明けのドル円は、先週末終値の155.81付近から堅調に始まり、仲値に向けて155.99付近まで上値を伸ばした。しかし、156円の大台に乗せられず調整が入ると一転して円高が加速。木原官房長官が「金融政策は日銀に委ねる」と述べたことが利上げ容認と受け止められたほか、NZ中銀総裁の発言によるNZドル安がクロス円全般に波及した。日銀の利上げ期待は一時96%まで急上昇し、ドル円は155.00付近まで急落。ユーロ円も183.04付近から181.86付近へ、ポンド円も208.59付近から207.12付近へと1円以上の大幅な下げを記録した。円主導の展開となったため、ユーロドルは1.17台前半、ポンドドルは1.33台後半で小動きにとどまり、クロス円の全面安が際立つ市場となった。
ロンドン市場では、東京市場での円買いの流れを引き継ぎ、円高水準での売買が交錯した。ドル円は154.94付近まで安値を広げた後、一旦は155.30付近まで買い戻されたが、足元では再び154.85付近へ下落。市場では週末の日銀会合での利上げ観測が支配的で、木原官房長官の従来通りの発言も利上げ支持と解釈された。ユーロ円は181円台後半から182円台前半、ポンド円は207.10付近から207円台半ばへと揉み合う展開。他通貨では、ユーロドルが1.17台前半、ポンドドルが1.33台後半で推移し、ドルの上値が重いものの限定的な動きとなった。対ユーロでポンド買いが優勢となったものの、全体としては日銀の政策発表を前にした「円相場主導」の地合いが継続し、主要通貨ペアは東京時間からの大幅な円高水準を維持する形となった。
NY市場で、ドル円は日銀利上げ期待や米重要指標を控えたドル安から、一時154円台に下落した。日銀短観で大企業製造業の景況感が4年ぶりの高水準となったことも利上げを裏付けたが、155円割れでは根強い円安期待や金利差を背景とした押し目買いも観測された。ユーロドルは一時1.1770付近まで上昇。ECB理事会を控え、ラガルド総裁が利上げ観測を否定しなければユーロがさらに上昇するとの見方も出ている。ポンドドルは一時1.34ドル台に乗せたが、週末の英中銀会合での利下げ観測から1.33ドル台へ伸び悩んだ。米雇用統計やCPIを控え、FRBの追加利下げをにらんだドル売りの動きが見られる一方、円相場については、日米金利差から円キャリー取引の継続を予想する声もあり、円高と円安双方の思惑が交錯する展開となった。
(16日)
東京市場では、日銀の利上げ見通しによる円買いが続き、ドル安・円高が優勢。ドル円は前日安値を割り込み、154.68付近まで下落した。今晩の米雇用統計を前に一方的な動きへの警戒感もあり、155円台への反発を挟みながらも午後は再び円高傾向となった。ユーロ円は株安を背景に182.49付近から181.78付近へ、ポンド円も207.60付近から206.78付近へ軟調な動き。対照的にドルストレートは膠着し、ユーロドルは12ポイント、ポンドドルは23ポイントという極めて狭いレンジでの取引となった。全体として週末の日銀会合と今晩の米統計を控え、リスク回避の円買いと調整の動きが交錯する展開となった。
ロンドン市場で、ドル円は米雇用統計を控えた様子見ムードから、154円台後半で下げ渋った。一方、ポンドとユーロは経済指標に敏感に反応。英雇用統計で平均賃金が予想を上回り、PMI速報値も強含んだことからポンド買いが加速。ポンドドルは1.34台、ポンド円は208円手前まで上昇した。対してユーロ圏はドイツ製造業PMIの悪化やZEW景況感の現況指数悪化を受けてユーロ売りが優勢となり、ユーロドルは1.17台半ば、ユーロ円は182円付近に停滞した。米株先物や原油・金の下落など、重要指標を前にした警戒感が支配するなか、好調な英国経済指標をきっかけとしたポンドへのポジション調整が目立つ形となった。
NY市場では、注目された米雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を上回る一方、失業率は4.6%に上昇。労働市場の冷え込みを示す内容ながら、追加利下げを強力に裏付けるほどではなく、市場の利下げ期待に変化は見られなかった。ドル円は発表直後に154.40付近まで下落したが即座に反発。155円割れでは根強い円安期待や金利差を背景とした押し目買いが観測された。ユーロドルは一時1.18ドル台へ上昇したが伸び悩み、ユーロ円は181円台へ下落。ポンドドルは1.34ドル台半ばまで上昇し2カ月ぶりの高値を付けた。ただ、来年の英中銀の追加利下げや、スターマー政権の基盤弱体化といった政治リスクがポンドの逆風になる可能性も指摘されている。
(17日)
東京市場では、ドル円は午前中に米雇用統計を受けたドル売り・円買いにより154.52付近まで下落したが、その後反発。米債利回りの上昇や、日経平均のプラス転換、中国・香港株の堅調さを受けたリスク選好の円売りが支えとなった。また、金曜日の日銀会合を控え、行き過ぎたドル売りに対する警戒感も広がった。ドル円は前日高値を更新する155.31付近まで上昇。ドル高の流れを受け、ユーロドルは1.1722付近、ポンドドルは1.3381付近まで値を下げた。クロス円はドル円の上昇による円安の勢いが勝り、ユーロ円は182円台、ポンド円は207.80付近まで持ち直した。
ロンドン市場では、11月の英CPIが予想を下回る伸びとなり、英中銀の追加利下げ観測が高まったことでポンドが急落。ポンドドルは1.3312付近、ポンド円は207.06付近まで売り込まれた。このポンド売りが他通貨にも波及し、全面的なドル高を誘発。ドル円は155.60付近まで上昇し、ユーロドルは1.1703付近まで下値を広げた。米10年債利回りが4.17%台へ上昇したこともドルを支援した。ユーロ円はドル円の上昇に連れ、一時182.33付近まで買われた。独Ifo景況感の悪化やユーロ圏CPIの下方修正には反応薄だったものの、対ポンドではユーロ買いが優勢。市場は翌日の英欧中銀の政策発表を前に、ドル高の勢いが強まる展開となった。
NY市場で、ドル円は155.75付近まで続伸。ドル買い戻しに加え、日銀利上げ後も円キャリー取引が続くとの見方から円安が進行した。目先は21日線の156.00付近が意識されている。米雇用統計後の利下げ期待は来年2回で変わらず、日銀も今週の利上げは確実視されているが、市場はそれだけでは円高トレンドにはならないと見ている。ユーロドルは1.17台半ばで推移。ECBの据え置きが確実視されるなか、追加利下げの可能性が意識されユーロは不安定な動き。ポンドは英CPIでの急落後、NY時間に入りドル安が強まったことで1.34ドル台、208円台まで買い戻された。英CPIの鈍化で物価圧力が弱まっているとの見方が強まっている。
(18日)
東京市場では、明日の日銀会合を控えるなか、前日のドル高・円安の流れが継続。ドル円は東京朝方の155.43付近を安値に、押し目なく堅調に推移し、ロンドン勢の参入時には155.91付近まで上値を伸ばした。ユーロ円も同様に183円台に乗せるまで円売りが強まった。一方、ポンド円は本日の英中銀会合での利下げを織り込む動きから上値追いに慎重で、208.42付近とわずかな高値更新にとどまった。ドルストレートは小動きで、ユーロドルは1.1740付近を挟んで膠着、ポンドドルは1.33台後半で調整売りに上値を抑えられた。全体として日銀の利上げを控えつつも、足元の円売りの勢いが優勢な地合いとなった。
ロンドン市場では、英中銀とECBの政策発表を控え、調整や思惑によるユーロ・ポンド売りが先行。英CPIの下振れを受け、英中銀の票割れが6対3になる等の観測からポンドドルは1.3341付近まで下落。ユーロドルも1.1717付近まで値を下げた。ドイツの大規模国債発行計画もユーロの重石となった。ドル円は東京からのじり高歩調を引き継ぎ、156円目前の155.97付近まで上昇したが、米CPI発表待ちで大台乗せには至らなかった。ユーロ円は183.17付近まで買われた後、ユーロドルの下げに連れて182円台半ばへ反落。ポンド円も208.56付近の高値を付けた後に208円台を割り込むなど、主要通貨で乱高下が見られた。
NY市場では、米CPIが予想外の伸び鈍化となり、ドル売りで反応。ドル円は155.30付近へ下落した。CPIは政府閉鎖の影響で信頼性が疑われ、反応は一時的。明日の日銀会合では利上げが確実視されているが、市場は既に織り込んでおり、円高への転換点とは見ていない。中立金利の観点から利上げ余地は限定的との見方も多い。ECBは予想通り据え置き、利下げサイクル終了の認識が広まった。ユーロドルは1.1760付近へ上昇後に伸び悩み。英中銀は0.25%利下げし3.75%としたが、5対4の僅差。今後の利下げ判断の難しさを警告したことでポンドは往って来い。ポンド円は2008年以来の高値となる209円台を一時付けた。
(19日)
東京市場は、やや円安の動き。日銀は予想通り0.25%の利上げを決定し、政策金利は0.75%に。声明は前回を踏襲し「依然として緩和的」との文言が残された。ドル円は155.50付近で始まり、会合前に155.80付近まで上昇。発表直後は155.60付近まで下げたが、すぐに156.16付近まで反発した。利上げは織り込み済みで、材料出尽くし感から円売りが優勢に。10年債利回りは1.97%台から2.02%へ上昇し、一時円買いとなるも反応は限定的。ユーロ円は182.70付近から183.00付近へ反発、ポンド円は208.80付近で堅調。ユーロドルは1.171台前半、ポンドドルは1.338台で小動きとなっている。
ロンドン市場では、植田日銀総裁会見をきっかけに円売りが強まっている。日銀利上げが市場に織り込み済みだったことに加えて、植田日銀総裁が会見で中立金利下限までに距離があるとしつつも、次回利上げについて明言しなかったことが円売りを強めた。一気に円キャリー取引が再燃している。ドル円は157円の大台に乗せた。ユーロ円は184円台に乗せてユーロ導入以降の最高値を記録。ポンド円も210円の節目を突破して2008年以来の高値水準となった。記録ずくめの円相場と比較するとドル相場は蚊帳の外だ。ユーロドルは1.17台前半でやや上値重く推移。ポンドドルは1.33台後半と前日NY終値付近での揉み合いに終始している。この日はECB当局者の発言も相次いだが、概ね現状維持を肯定する論調にとどまり、相場に影響を与えなかった。
NY市場でドル円は買い優勢の動きが続き、157円台半ばまで上げ幅を拡大した。片山財務相がG7オンライン会合後に会見を行い、「為替動向は一方向で急激な動きで憂慮している。行き過ぎた動きには適切に対応」と述べていたことで、ドル円はNY時間に戻り売りが出ていたものの直ぐに切り返している。ドル円は本日の上げで21日線を一気に上抜けた。11月下旬からの調整トレンド終了の兆候も見られ、来週以降の動きが注目される。目先は11月20日の高値157.90付近が上値メドとして意識される。
このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。
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