*12:01JST G-BBDI Research Memo(1):SaaSベンダーからAIベンダーへと進化し、高成長を目指す
■要約
BBDイニシアティブ<5259>は、傘下に統合型SFA※/CRMクラウドサービス「Knowledge Suite(ナレッジスイート)」を主要サービスとして展開するブルーテック(株)やシステムエンジニアリングサービス(以下、SES)を展開する(株)アーキテクトコア、BtoB向け営業リスト作成サービス事業を展開するネットビジネスサポート(株)、サブスクリプションモデルで有名タレントの写真素材を活用し、企業のブランディング・PR支援を行うブーストマーケティング(株)、インサイドセールス支援を行う(株)RocketStarterの5社を持つ持株会社で、中堅・中小企業を主な顧客ターゲットとしている。2025年8月にAIを活用したソリューションを提供するヘッドウォータース<4011>と資本業務提携を行ったのを機に、従来のSaaSによる「機能提供モデル」から「顧客が蓄積する利用データをAI学習資産として生かすモデル」へとビジネスモデルを大きく変革する方針を決定した。
※ SFA(Sales Force Automation)とは、営業のプロセスや進捗状況を管理し、営業活動を効率化するためのシステム。
1. 2025年9月期の業績概要
2025年9月期の連結業績は、売上収益で前期比6.6%増の4,399百万円と過去最高を連続更新した一方で、営業損失351百万円(前期は285百万円の利益)を計上した。売上収益面では、当初販売を予定していた生成AIネイティブアプリ「Knowledge Suite+(ナレッジスイートプラス)」の販売時期がずれ込んだ影響や、既存サービスで低料金プランのサービス提供を見合わせたことにより、SaaS売上が同2.4%増と伸び悩んだものの、旺盛なIT開発需要を背景にSESを中心としたBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業が同12.7%増と好調に推移した。利益面では、ビジネスモデルを大きく変革する方針を決定したことに伴い、既存のサービスやプロダクトでAIとの関連性が低いと判断した事業資産について731百万円の減損処理を実施したこと、並びに2025年9月期より新たに導入した株主優待の費用117百万円を計上したことが減益要因となった。これら要因を除いた実質営業利益は497百万円となり、前期比では約74%の増益であった。
2. 2026年9月期の業績見通し
2026年9月期の連結業績は、売上収益で前期比9.2%増の4,803百万円、調整後営業利益で486百万円、利益率では10.1%を見込んでいる。売上収益はDX事業において「Knowledge Suite+」の拡販を皮切りに、SaaSベンダーからAIベンダーとしてのビジネスモデルの変革を推進するとともに、BPO事業でもAI人材の育成強化による高単価プロジェクト案件を獲得しながら増収を見込む。調整後営業利益に関してはAIサービスの開発コスト増や「Knowledge Suite+」のマーケティング費用増などもあって実質ベースではやや減益となるが、新たなビジネスモデルを確立し、将来の成長基盤を構築するための準備期間と位置付けている。
3. 成長戦略と株主還元策
同社はソフトウェア提供型からAI提供型サービスへのビジネスモデルの変革を確実に実行し、中期目標として2030年9月期に売上収益88億円、調整後営業利益率15%超を掲げた。このため、早期にAIサービスのビジネスモデルを確立させ、AIサービスの課金モデルのベンチマークを構築する。中堅・中小企業において人手不足が慢性化するなかで、AIの活用による生産性向上の取り組みに対する重要性は年々高まっており、こうした需要に応えるAIソリューションサービスを開発し、高成長につなげる方針だ。成長戦略としては、クロスセルによる顧客単価の向上と高単価システム開発案件の獲得によるオーガニック成長に加えて、既存事業とのシナジーをねらった営業・マーケティング領域でのM&Aを実行することで非連続的成長を図り、成長スピードを加速する。
株主還元策については、個人の安定株主増加を目的として、2025年9月期より配当金の代わりに株主優待制度を導入する方針を決定し(2024年9月期は1株当たり7.0円の配当を実施)、2026年9月期以降も継続する。優待内容は、毎年3月末、9月末に500株以上を保有する株主に対して基準日ごとに2万円分のデジタルギフトを進呈する。また、9月末基準日においては保有期間に応じて最大5万円分を進呈、年間合計では4万円から最大7万円分のデジタルギフトを進呈する。選択するデジタルギフトの種類もPayPayマネーライトやQUOカードPay、Amazonギフトカードなどに加えて、新たにau PAYギフトカードやdポイントを追加するなど利便性も向上させた。
■Key Points
・2025年9月期は減損損失計上により営業損失となるも、実質営業利益は増益に
・2026年9月期は「Knowledge Suit+」の拡販によるビジネスモデルの変革に注力
・2030年9月期に売上収益88億円、調整後営業利益率15%超を目指す
・デジタルギフトによる株主優待制度を継続
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
BBDイニシアティブ<5259>は、傘下に統合型SFA※/CRMクラウドサービス「Knowledge Suite(ナレッジスイート)」を主要サービスとして展開するブルーテック(株)やシステムエンジニアリングサービス(以下、SES)を展開する(株)アーキテクトコア、BtoB向け営業リスト作成サービス事業を展開するネットビジネスサポート(株)、サブスクリプションモデルで有名タレントの写真素材を活用し、企業のブランディング・PR支援を行うブーストマーケティング(株)、インサイドセールス支援を行う(株)RocketStarterの5社を持つ持株会社で、中堅・中小企業を主な顧客ターゲットとしている。2025年8月にAIを活用したソリューションを提供するヘッドウォータース<4011>と資本業務提携を行ったのを機に、従来のSaaSによる「機能提供モデル」から「顧客が蓄積する利用データをAI学習資産として生かすモデル」へとビジネスモデルを大きく変革する方針を決定した。
※ SFA(Sales Force Automation)とは、営業のプロセスや進捗状況を管理し、営業活動を効率化するためのシステム。
1. 2025年9月期の業績概要
2025年9月期の連結業績は、売上収益で前期比6.6%増の4,399百万円と過去最高を連続更新した一方で、営業損失351百万円(前期は285百万円の利益)を計上した。売上収益面では、当初販売を予定していた生成AIネイティブアプリ「Knowledge Suite+(ナレッジスイートプラス)」の販売時期がずれ込んだ影響や、既存サービスで低料金プランのサービス提供を見合わせたことにより、SaaS売上が同2.4%増と伸び悩んだものの、旺盛なIT開発需要を背景にSESを中心としたBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)事業が同12.7%増と好調に推移した。利益面では、ビジネスモデルを大きく変革する方針を決定したことに伴い、既存のサービスやプロダクトでAIとの関連性が低いと判断した事業資産について731百万円の減損処理を実施したこと、並びに2025年9月期より新たに導入した株主優待の費用117百万円を計上したことが減益要因となった。これら要因を除いた実質営業利益は497百万円となり、前期比では約74%の増益であった。
2. 2026年9月期の業績見通し
2026年9月期の連結業績は、売上収益で前期比9.2%増の4,803百万円、調整後営業利益で486百万円、利益率では10.1%を見込んでいる。売上収益はDX事業において「Knowledge Suite+」の拡販を皮切りに、SaaSベンダーからAIベンダーとしてのビジネスモデルの変革を推進するとともに、BPO事業でもAI人材の育成強化による高単価プロジェクト案件を獲得しながら増収を見込む。調整後営業利益に関してはAIサービスの開発コスト増や「Knowledge Suite+」のマーケティング費用増などもあって実質ベースではやや減益となるが、新たなビジネスモデルを確立し、将来の成長基盤を構築するための準備期間と位置付けている。
3. 成長戦略と株主還元策
同社はソフトウェア提供型からAI提供型サービスへのビジネスモデルの変革を確実に実行し、中期目標として2030年9月期に売上収益88億円、調整後営業利益率15%超を掲げた。このため、早期にAIサービスのビジネスモデルを確立させ、AIサービスの課金モデルのベンチマークを構築する。中堅・中小企業において人手不足が慢性化するなかで、AIの活用による生産性向上の取り組みに対する重要性は年々高まっており、こうした需要に応えるAIソリューションサービスを開発し、高成長につなげる方針だ。成長戦略としては、クロスセルによる顧客単価の向上と高単価システム開発案件の獲得によるオーガニック成長に加えて、既存事業とのシナジーをねらった営業・マーケティング領域でのM&Aを実行することで非連続的成長を図り、成長スピードを加速する。
株主還元策については、個人の安定株主増加を目的として、2025年9月期より配当金の代わりに株主優待制度を導入する方針を決定し(2024年9月期は1株当たり7.0円の配当を実施)、2026年9月期以降も継続する。優待内容は、毎年3月末、9月末に500株以上を保有する株主に対して基準日ごとに2万円分のデジタルギフトを進呈する。また、9月末基準日においては保有期間に応じて最大5万円分を進呈、年間合計では4万円から最大7万円分のデジタルギフトを進呈する。選択するデジタルギフトの種類もPayPayマネーライトやQUOカードPay、Amazonギフトカードなどに加えて、新たにau PAYギフトカードやdポイントを追加するなど利便性も向上させた。
■Key Points
・2025年9月期は減損損失計上により営業損失となるも、実質営業利益は増益に
・2026年9月期は「Knowledge Suit+」の拡販によるビジネスモデルの変革に注力
・2030年9月期に売上収益88億円、調整後営業利益率15%超を目指す
・デジタルギフトによる株主優待制度を継続
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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