OBC、ARRが前年比2桁成長の442億円、クラウドの伸長が寄与 期末配当を53円から58円に増配へ

投稿:2026/01/29 15:00

決算説明会資料の一部訂正について

決算説明会翌日の2026年1月28日に決算説明資料の数値の一部訂正を公表しています。
2026/01/28 IR資料【訂正】2026年3月期第3四半期決算説明会資料(7,420KB)

Index

小泉明大氏:みなさま、お忙しい中、本日は弊社の第3四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。株式会社オービックビジネスコンサルタント執行役員管理本部管理部部長の小泉明大です。

本日は、主要な指標、決算概況のご説明、株主還元、「奉行クラウド」のセキュリティについての順に、ご説明を進めます。

主要な指標

主要な指標についてご説明します。ハイライトとして8つの指標を掲げています。それぞれ右下の小さい数値が前年同期のもので、左上の大きい数値が直近の最新数値を表しています。

ARRとクラウドARPUは、この1年間でいずれも増加しました。ARRが442億円、クラウドARPUが57万3,000円となっています。

稼働システム数とは、クラウド提供型ソリューションの稼働数と、インストール型のオンプレミスの登録数を合計したものです。この合計数は、1年前と比較して最新数値が少し減少しているように見えます。これは、オンプレミスの登録数の変動が影響しています。

オンプレミスの登録数については、「奉行10シリーズ」のサポート終了時に、累積登録残数約2万件を抹消処理しました。この累積抹消処理の件数は、「奉行8」など過去のシリーズのサポート終了時の処理数とほぼ同水準です。

また、各行の下に小さな数字で内数としてクラウド稼働数を記載しています。1年前は12万1,000システム、最新数値は13万7,000システムとなり、この1年間でクラウド稼働数が1万6,000件増加しました。

オンプレミス登録数の累積抹消処理分の影響を除くと、クラウドとオンプレミスの合計ベースでも、この1年間で実質的に約1万1,000件増加したとみなすことができます。

継続収益比率はこの1年間でさらに上昇し、83.9パーセントとなりました。

前受収益残高は、前年同期比で9億円増加しています。

契約継続率については、引き続き高い水準を維持しています。

P/L売上高と営業利益は、第3四半期9ヶ月累計の数字ですが、前年同期比で増収増益となりました。

各指標の推移等の詳細は、次のスライドから順にご説明します。

ARRの推移

ARRの推移についてご説明します。スライドのグラフは、直近4年間の四半期ごとの推移を示しています。ARRは年額ベースの継続収益額を表しています。

具体的な計算方法は、まず各四半期末の月、今回でいうと2025年12月の月額継続収益の実績額を用います。この内訳は、主にクラウドソリューションの利用料収入の月額と、オンプレミスの有償保守料金の月額とで構成されています。これらを合計した額を12倍し、年額ベースを計算しています。

言い換えると、ARRの値は、足元の継続収益月額の実績水準が今後1年間そのまま維持されるとの前提で、引き伸ばした年額ベースの金額水準を指すものです。

つまり、この先1年間のP/L売上高水準を考える際には、ARRの金額に予想契約継続率を乗じ、これに新規獲得による継続収益額の増分と一時収益の金額を加えたものが、この先1年間のP/L売上高予想になるという考え方です。

今回、第3四半期末のARRは442億円となり、この1年間で12パーセント成長しました。また、この1年間について、3ヶ月単位の増加額に着目すると、まず前期2025年3月期第3四半期のARRは395億円でした。

ここから第4四半期にプラス10億円、当期2026年3月期第1四半期にプラス11億円、第2四半期にはプラス9億円となりましたが、今回の第3四半期では425億円から442億円へと3ヶ月間で17億円増加しました。ここに来て足元の伸びが加速していることがご確認いただけると思います。

内訳ごとの動きを少し触れます。グラフの下部に示された濃い青色は、オンプレミス保守の収益金額を表しています。この部分は、クラウド転換などの影響により、緩やかに減少しています。

水色の部分はクラウドソリューションの利用料売上です。ここでは、直近4年間クラウドユーザー数が継続的に増加していることに加え、今回の第3四半期の3ヶ月間で303億円から322億円へと19億円の増加と、足元では大きく伸びていることが確認できます。

これらの結果、ARRの総額は244億円から442億円へと3年半で約1.8倍の成長、クラウドARRは111億円から322億円へと約2.9倍の成長実績となっています。

OBCでは、すでにオンプレミス製品の新規出荷を原則終了していますが、オンプレミス製品の有償保守契約を継続利用されているユーザーが今後クラウドへ切り替えを選択した場合には、グラフの濃い青色の部分から水色の部分へと数字が置き換わるかたちで反映されていきます。

クラウド収益の推移

クラウドARRの部分だけをさらに分解し、色分けしたグラフです。クラウドARRは前ページのARRの内数ですので、それぞれのグラフのタイトルも区別しています。前ページでは「ARRの推移」、このページでは「クラウドARRの推移」と区別して表現しています。

また、クラウドをさらに「基幹業務クラウド」と「奉行クラウドEdge」の2つに分解しています。「基幹業務クラウド」は、会計税務や人事給与、販売・仕入管理などの基幹業務システムに係るソリューションです。

「奉行クラウドEdge」は勤怠管理、マイナンバー管理、給与明細配信、年末調整申告、労務管理といった周辺業務に関連するEdgeソリューションを集計対象としています。

こちらのグラフでは、上段の水色の「基幹業務クラウド」と下段の濃い青の「奉行クラウドEdge」に分け、それぞれの数字と色で推移を示しています。

また、右側のグラフはARRではなく、四半期P/L売上高に含まれるクラウド売上高を「基幹業務クラウド」と「奉行クラウドEdge」に色分けして示したものです。

左右両方のグラフの推移や成長率はおおむね連動していますが、金額の数値に関しては左のクラウドARRが年額ベースであるのに対し、右のクラウド売上高は四半期単位の金額となっています。

この1年間、クラウド全体の数値はクラウドARRで見ても、また、クラウド売上高で見ても、おおむね2割の成長を記録しました。また、3年半の期間で見ると、「奉行クラウドEdge」は約1.85倍、「基幹業務クラウド」は約3.8倍の成長実績となっています。

クラウドARPU・クラウド稼働システム数の推移

クラウドARPUと稼働システム数の推移です。折れ線グラフは、四半期ごとのクラウドARPUの上昇を表しています。クラウドARPUの計算方法は、クラウドソリューションの月額売上高の12倍を利用企業数で除することで、1企業当たりの年額平均売上金額を算出しています。

この値は3年半前に32万7,000円だったものが、直近で57万3,000円となり、3年半で約1.75倍となりました。直近1年間では、前期第3四半期時点の52万1,000円から57万3,000円へと増加し、クラウドARPUはこの1年で10パーセント上昇しました。

過去3年半のARPU上昇の主な要因は、2期前までの上昇については価格改定の効果によって牽引されたものです。直近1年余りについては、「奉行V ERPクラウド」や「奉行クラウド DX Suite」などの高単価製品やライセンス数の多いお客さま向けの比重が増加するなど、セールスミックスの変化が徐々に進行したことが全体の平均単価を押し上げています。こうした効果は今後も継続すると期待されます。

なお、ソリューションのシリーズごとの平均売上単価の水準やその違いについては、グラフ下部の点線で囲まれた表でご確認いただけます。

スライド右側の棒グラフは、クラウドの稼働システム数の推移です。当社では、サービス利用規模の定量データ指標として、ユーザー企業数ではなく稼働システム本数を継続的に開示しています。

クラウド稼働システム数の合計は、直近1年間で14パーセント増加しました。近年売上を伸ばしている「奉行クラウド DX Suite」は、基幹システムと複数のEdgeソリューションをワンパックにしたセット商品です。

ただし、「奉行クラウド DX Suite」の稼働システム数のカウントは、ワンパックで基幹業務クラウド1本として集計されています。実際には複数のEdgeソリューションが同時に稼働していますが、これらは「奉行クラウドEdge」の本数カウントには含まれていません。

したがって、実態ベースでは、こちらの集計以上に「奉行クラウドEdge」の稼働数が成長しているとご理解いただければと思います。

継続収益比率

こちらのスライドでは、継続収益と一時収益のバランスおよびそのウェイトをご覧いただけます。

左の図は、P/L売上高全体の各構成要素を、継続収益と一時収益とに分解するところを図解しています。現在、OBCの売上高全体の約84パーセントを継続収益が占めています。

右側のグラフは、数年にわたる継続収益と一時収益のバランスの変化を示しています。色が濃い部分が継続収益を表しており、年々階段式に積み上がっています。この3年間の継続収益金額の年間平均成長率は19パーセントです。

売上構成・営業利益の推移

売上構成および営業利益の推移についてご説明します。

左側のグラフは、P/L売上高全体の推移を品目別に色分けし、継続収益に分類されるものを下に、一時収益に分類されるものを上に重ね、四半期ごとの推移を示しています。内訳ごとの推移が一覧でわかるグラフになっています。一番右の、当第3四半期3ヶ月間の売上高総額が、過去最高を更新したことが確認できます。また、棒グラフ中央の水色の部分は、クラウドソリューションの利用料売上を示しています。この部分が継続的に比率と金額を伸ばしていることが確認できます。

さらに、右側のグラフでは、営業利益額と営業利益率の9ヶ月累計金額を4ヶ年分並べています。今期の9ヶ月累計の営業利益額は過去最高となる172億7,000万円となりました。P/Lの詳細については後ほどご説明します。

前受収益残高と契約継続率の推移

左側のグラフは前受収益残高の推移を示しています。OBCでは、新規契約や契約の継続更新をしていただく際に、1年契約であれば1年分、2年契約であれば2年分、5年契約であれば5年分といったように、契約期間分の利用料や保守料金の総額を一括前払いでお受けしています。

OBCの経理処理では、前受でいただいた契約代金をいったん全額、前受収益勘定に計上し、サービス開始後は経過期間分を順次売上高に振り替えています。そのため、四半期末時点の前受収益残高は、翌四半期以降の売上高に振り替わるものとご理解ください。

直近の残高は332億円余りとなっています。内訳をご覧いただくと、緑色で示している1年契約部分の残高が順調に増加していることがわかります。

また、1年間の増加額を比較すると、2023年12月末から2024年12月末は249億円から275億円へと26億円の増加でしたが、直近1年間では275億円から304億円へと29億円余りの増加となっています。これらの数字からも足元の受注状況がしっかりと回復していることをご確認いただけます。

なお、黄色で示されている長期契約部分が減少しているのは、前期からの営業方針変更によるものです。将来の価格改定による成長余地を確保する意図で、2年超の長期契約を原則廃止したことが影響しています。

しかし、この部分については、将来の契約継続を前提とする限り、将来の売上高の減少を意味するものではありません。そのため、実質的な受注高の減少とは認識していません。

また、スライド右側のグラフは、契約継続率の推移を示しています。この数字は、継続契約型の契約、すなわちクラウドソリューション契約やオンプレミス保守契約を対象として、金額ベースで算出した月次解約率の年間平均のパーセントを、1から差し引いたパーセントの値です。

そのため、99パーセント台で常に推移しているのは、金額ベースでの月次解約率の年間平均が1パーセント未満の水準で安定していることを示しています。

以上が主要な指標のご説明です。

損益計算書

決算の概況をご説明します。

中央縦に青字で記載している数字が当期P/Lの9ヶ月累計の実績数値です。左側の縦列は前年同期の9ヶ月実績、右側の縦列の数字は前年同期との増減を示しています。

売上高は378億7,700万円で、前年同期比で9パーセントの増収となりました。売上高の品目別内訳については、次のスライドでご説明します。

売上総利益率は、前期の83.5パーセントから当期は84.7パーセントへと1.2ポイント上昇しました。この上昇は、相対的に利益率の高いソリューション売上が売上高全体に占める比率を高め、ミックス改善が進行したことに加え、インストラクター指導における外注委託費の減少が影響し、売上総利益率が全体として改善した結果と分析しています。

販売管理費の内訳は後ほどご説明しますが、総額で148億1,800万円となり、前年同期比で16億8,900万円増加しました。

この結果、営業利益は172億7,000万円で、前年同期比8.5パーセントの増益、営業利益率は45.6パーセントでした。

また、営業外収益として受取利息約1億円と受取配当金9億円余りが計上されており、経常利益は183億2,800万円で、前年同期比8.8パーセントの増益となりました。

特別利益は当期に少額の計上のみであり、特筆すべき内容はありません。

以上の結果、当期純利益は125億6,100万円となり、前年同期比で7.2パーセントの増益となりました。

売上高の品目別内訳

売上高の品目別内訳についてです。まず、品目別分類を簡単にご説明します。品目は大きく「ソリューション」「関連製品」「サービス」の3つに分類しています。

また、「ソリューション」は、さらに「クラウド」と「オンプレミス」に分けています。「クラウド」は、利用料型モデルで、継続収益として一定期間にわたり売上計上されるもので、利用料収入をすべてここに集計しています。「オンプレミス」は、製品販売と有償保守の契約に分かれており、このうち製品販売代金分の売上がここに計上されます。

当期はすでにオンプレミスの新規販売を行っていませんが、継続してご利用いただいているオンプレミス製品の中に、一部サブスクリプション型の料金モデルがあり、そのタイプの料金収入が当期もここに計上されています。

「クラウド」は「基幹業務クラウド」と「奉行クラウドEdge」の2つに分類しています。この定義は、前半の主要な指標におけるクラウド関連数値の分類と同じです。

「関連製品」は「奉行シリーズ」の専用用紙などのサプライ品の物販や、奉行製品と連携する他社ソリューションとのセットで提供される奉行連動ソリューションの売上高を集計したものです。

「サービス」については、「オンプレミス保守」と「その他」に分類しています。「オンプレミス保守」では、オンプレミス製品の有償保守契約料金を計上しています。「その他」は、主に操作指導などのサービス売上を集計しています。

青字で示した各実績についてご説明します。「ソリューション」の売上は全体で233億9,900万円です。内訳の大半は「クラウドソリューション」で、228億8,300万円と前期比20.7パーセントの増収となっています。

中小企業向けの「奉行iクラウド」の売上が堅調に推移し、中堅上場企業向けの「奉行V ERPクラウド」や「奉行クラウド DX Suite」の伸びが加速していることが、クラウド売上の拡大に寄与しています。

クラウド売上高の内訳ごとの成長率については、「基幹業務クラウド」の売上が前期比26.2パーセント増加し、「奉行クラウドEdge」の売上が前年同期比9.9パーセント増加となっています。

一方で、「オンプレミス」の売上高は前期比で大きく減少しています。この減少は、今年の2月末をもってオンプレミス製品の新規出荷を終了した影響によるものです。当期の実績は、おおむね当初予算の想定水準となっています。

「関連製品」の売上高は36億200万円となり、前年同期比22パーセント弱の増収となりました。この増収は、奉行連動ソリューションの売上が引き続き増加したことと、上期にIaaSモデルの環境構築に係る料金プラン改定の影響が集中したことが主な要因です。

「サービス」の売上高は全体で108億7,400万円となり、前年同期比4.7パーセントの減収となりました。この中で、「オンプレミス保守」の売上高は、前年同期比4.1パーセントの減収となり、オンプレミスユーザーからの有償保守代金はこちらに計上されています。この減少は、オンプレミスユーザーさまが少しずつクラウドソリューションへの切り替えを選択している影響によるものです。

「その他」は、操作指導などのサービス売上です。前期の年度初めには、その前の期の特需で積み上がった指導受注残を消化するために高稼働となった時期がありました。以降は通常対応となったため、9ヶ月累計の前年比較では若干の減収となっています。

販売費及び一般管理費の内訳

販売費および一般管理費の内訳です。販管人件費、研究開発費、広告宣伝費、地代家賃、減価償却費、その他経費の6つに分類して集計しています。

販管人件費は営業部門、管理部門、役員分の人件費を、研究開発費は開発部門の人件費が大部分を占めています。

販管人件費の45億円余りと研究開発費の約33億6,000万円を合わせ、合計額は約79億円弱となり、この部分で前年同期比9パーセント弱の増加となっています。これらの増加要因としては、新卒採用104名による人員増加、給与の増額改定、残業単価の見直しが挙げられます。

広告宣伝費の金額は約21億6,000万円で、前期比で5億円余り増加しています。この増加は、引き続きブランド浸透を意図し広告宣伝を戦略的に強化していることによるものです。

地代家賃の増加は、本社のフロア増床に伴うものです。

減価償却費とその他経費については、前期の数字に一過性の修正金額が含まれています。前期の数字から修正処理の影響を除いた額としては、減価償却費は約3億5,000万円、その他経費は約38億1,000万円となります。

これら前期補正後の金額と当期の金額とを比較すると、当期の減価償却費は6,000万円弱の増加、その他経費は約7億5,000万円の増加となっています。

その他経費の増加内訳として、支払手数料・展示会費・販売促進費や旅費交通費といった活動関連費用の増加が5億円余り、PCリース料や事務用品費などの雑費的な費用の増加が2億円余りとなっています。

株主還元 - 配当政策

株主還元策についてです。

スライド左側のグラフは、当期を含めた直近5年間の配当額と配当性向の実績推移を示しています。棒グラフは1株当たりの年間配当額を、折れ線グラフは各期の配当性向を表しています。

OBCは創業以来、一貫して「将来、長きにわたり安定した株主還元を堅持する」との方針を掲げ、どの時代においても配当額を減額したことがありません。また、配当性向も徐々に引き上げるという実績を積み重ねてきました。

現状では、配当性向をおおむね45パーセント程度とする方針に基づき、中間配当の増額に続き、通期業績見通しを踏まえた上で、期末配当を53円から58円へと増額することを決定しました。

年間配当額は昨年度の100円から11円増額され、1株当たり年間合計111円となります。現時点の当期配当性向予想は48パーセントです。

今後も長期にわたり安定した利益還元を維持し、利益成長に応じた増配を目指していきたいと考えています。

Microsoft AzureにフォーカスしたOBCのクラウド構造

近年、突然のサイバー攻撃やランサムウェア被害が、事業継続の危機に直結する事案が複数発生しています。つい最近も、企業の代表者を装った不審メールやなりすましメールによる被害が発生しました。

このように、サイバーセキュリティや情報セキュリティに関するリスクへの対処は、中小企業・大企業を問わず、具体的かつ適切な策を講じる必要があります。これを怠れば、経営者やマネジメントは善管注意義務違反を問われかねない時代になっています。

こうした時勢において、OBCがセキュリティをどのように考えているのかについてお伝えします。結論から言うと、業務システムに対する最適なセキュリティ対策は「奉行クラウド」の導入です。なぜそのように言えるのか、その理由を簡単にお話しします。

ランサムウェア感染の仕組みに照らしてご説明すると、最も被害の多い典型的なケースは、メールの誤送信や誤操作、未更新のシステムといった脆弱性を突いて侵入し、システム管理者の特権を奪取してデータベースのファイルを暗号化し持ち出し、「これを元に戻したければ」と金銭を要求して脅迫する、というものです。

「奉行クラウド」がランサムウェアの感染を受けない構造となっているポイントについて、いくつかご説明します。まず、スライド左の図の土台部分に「Microsoft Azure」がPaaSであると記載されています。

従来、「奉行クラウド」の特徴をSaaS型と表現することがよくありましたが、ここではあえてPaaSという言葉を使用しています。

なお、「Software as a Service」の略であるSaaSという言葉は、業務アプリケーションがインターネット経由で提供されるというアプリケーション部分の特徴を指す用語です。

一方、「Platform as a Service」の略であるPaaSとは、OSやデータベースなどの土台部分、アプリケーション開発や実行・管理に必要なプラットフォームの特徴を指す用語です。

先ほど触れた、ランサムウェア感染のキーとなるシステム管理者の特権を、誰が保有しているかという点が重要なポイントです。この点について、オンプレミスモデルでは、利用企業の社内の物理サーバーにデータを保管するため、システム管理者の特権は社内のどなたかが保有することとなり、それが侵入や感染のリスクにさらされているわけです。

一方、PaaSモデルの業務クラウドでは、OSやデータベースはクラウド事業者からサービスとして提供されます。そのため、システム管理者の特権はクラウド事業者が管理し、利用者やベンダーから物理的に隔離されています。

すなわち、「奉行クラウド」を利用する場合、データベースのシステム管理者の特権はベンダーであるOBCからも隔離されているということです。このことを、「権限分離設計」と表現しています。

このように、攻撃者の標的となる要素がユーザー企業からもOBCからも隔離されている点が、リスクの遮断を可能にしている重要なポイントです。

さらに、システムの部分的な未更新により、一部のドアが開きっぱなしになるような脆弱性のリスクについても、クラウドでは常に最新の環境に自動更新される仕組みが備わっています。これは、いわば定期的に自動でドアが閉められるような構造となっており、ランサムウェア感染防止の観点において、大きな優位性の1つとなっています。

奉行クラウド・奉行クラウドEdgeが提供する安心・安全のセキュリティ

スライドは、従来、「奉行クラウド」の3つの安全・安心について説明しているものです。これらの大前提として、PaaS構造を背景としたリスク遮断の仕組みがあることを本日はあらためてお伝えしました。

私からのご説明は以上です。

小泉氏からのご挨拶

本日は、当社の決算説明会に最後までご参加・ご視聴いただき、誠にありがとうございました。いただいたご質問やご指摘は、当社の事業にとって非常に重要で貴重なものです。

OBCは今後さらに努力を重ねていきます。引き続きご支援いただけると幸いです。本日は誠にありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

関連銘柄

銘柄 株価 前日比
7,304.0
(15:30)
-327.0
(-4.28%)

「#配当」 の最新ニュース