ドル円、一時156円台半ばまで下落 米雇用指標が減速示す 高ボラティリティが続く=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2026/02/06 06:45
ドル円、一時156円台半ばまで下落 米雇用指標が減速示す 高ボラティリティが続く=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は急速に伸び悩み、一時156円台半ばまで伸び悩む動きが見られた。ただ、後半には157円台に戻している。明日に予定されていた米雇用統計の発表が延期になる中、この日の雇用関連指標が労働市場の減速を示す内容が相次いだ。

 12月の米求人件数は654万人と予想を大きく下回ったほか、前回分も大幅に下方修正。また、本日は米再就職支援のチャレンジャー・グレイ&クリスマス社が1月の米企業が発表した人員削減数が発表され、2009年の大不況以来で最多となったほか、米新規失業保険申請件数も予想を上回っていた。

 特にドル円は、他の通貨ペアに比べてボラティリティが高まっているが、ドル離れが一服する中、ドル円の上値を狙った投機筋の動きが再び活発化している模様。NY時間に入ってからの急速な売りは、逆にその分、逃げ足も速いことも示している。

 ファンド勢が円ショートを再び積み上げているとの指摘が出ている。衆院選の8日の投開票を控え、円安がまた勢いを増すと見込んでいるという。ドル円は、高市首相が足元の円安についてのメリットに言及したことで、再び注目を集めた。世論調査によれば、自民党が単独過半数を獲得するとの調査もあり、そうなれば首相が掲げる積極財政を進める余地が広がる。それと同時に、日本の財政への不安が市場で一段と増すのではとの観測があるようだ。

 オプション市場にも変化が表れており、ドル円のコール(買う権利)の取引量がプット(売る権利)を上回っている。コールの需要が増える中、向こう1カ月のドル円の下方向をヘッジするプレミアムは上方向に比べ、約2週間ぶりの低水準に低下している状況。

 ユーロドルは1.18ドルを挟んで上下動。ドル円やポンドドルは大きな動きが出ていたものの、ユーロドルは概ねレンジ取引を継続。本日の21日線が1.1760ドル付近に来ているが、その上はかろうじて維持している状況。一方、ユーロ円はドル円の動きに左右され、185円台から184円台に伸び悩む展開。

 本日はECB理事会の結果が公表され、予想通りに中銀預金金利を据え置いた。ECBは今後の対応について具体的なガイダンスは示さず、引き続き入ってくる経済データに基づいて判断すると繰り返している。

 ただ、ECB理事はユーロ高が輸出や消費者物価に及ぼす影響を注視しており、とりわけ関税を巡る見通しが一段と不透明になる中で、リスクが高まっているとしている。また、ラガルドECB総裁は会見で、為替が議題に上ったこと明らかにし、「関税とユーロの影響で貿易環境は厳しい」と述べたほか、ユーロ高がインフレを目標よりもさらに押し下げる可能性にも言及していた。ただ、ユーロはまだ平均的なレンジ内に留まっているとの認識も示し、それに対するユーロの反応も限定的だった。

 本日のポンドは対ドルのみならず、対ユーロ、円でも下落し、上値の重さが目立った。一方、ポンド円は一時211円台に下落。2つの出来事がポンドを圧迫。1つは本日の英中銀の金融政策委員会(MPC)で、予想通りに政策金利は据え置かれたものの、9名の委員のうち4名が利下げを主張し、5対4での僅差での決定となった。声明でも「金利はさらに低下する公算が大きい」と言及。この決定を受けて市場では、次回3月の利下げ観測が現実味を帯びている。

 そして、もう1つは政治不安の再燃で、スターマー首相の指導力に懐疑的な見方が強まっていることがある。性犯罪で起訴され勾留中に死亡した米実業家エプスタイン氏との関係を知りながら、マンデルソン上院議員(当時)を駐米大使に指名したとして、首相は責任を問われている。ストラテジストは「スターマー首相は国内で相当のプレッシャーにさらされており、英国は要注目だ」と指摘。
 
 世論調査では英労働党の支持率が低迷し、スターマー首相自身も不人気にあえぐ。5月の地方選挙で、労働党は苦しい闘いを強いられると見込まれているようだ。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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