ギフトHD Research Memo(3):3ブランドを軸に直営とプロデュースを展開し、立地適応力を強みに国内外で成長

配信元:フィスコ
投稿:2026/02/16 11:33
*11:33JST ギフトHD Research Memo(3):3ブランドを軸に直営とプロデュースを展開し、立地適応力を強みに国内外で成長 ■事業概要

3. 事業内容
ギフトホールディングス<9279>は店舗チャネルにおいて直営店(直営事業部門)、プロデュース店(プロデュース事業部門)を展開している。直営店事業部門では、徹底した品質管理による味の再現性に加え、活気ある店舗環境と接客サービスの提供に注力している。プロデュース事業部門では、直営店で蓄積された店舗運営ノウハウやPB商品をプロデュース店に提供し、同社が目指す「地域の人々に愛され続ける店舗づくり」をサポートしている。

市場規模8,000億円と言われる国内のラーメン市場は、依然として個店や小規模チェーンが多く、大手による集約化が進行している。また、海外ではラーメン市場の急拡大を受け、同社は「ラーメンを、世界への贈り物に。」を事業コンセプトに、海外での事業展開を強化している。

(1) 直営店事業部門
同社はラーメン市場を複数のサブマーケットに分類し、味・立地・サービスで差別化した繁盛業態を開発している。各マーケットは直接競合しないため、同一エリア内での複数業態展開によるシェア最大化が可能である。現在は「町田商店」「豚山」「元祖油堂」を主力に集中出店を推進している。並行して次なる繁盛業態の育成にも注力しており、特に市場規模の大きい醤油・味噌ラーメン領域での地位確立を目指し、M&Aや業態開発を進めている。

主力業態である横浜家系ラーメン「町田商店」は、1974年頃に登場した横浜発祥の豚骨醤油ベースのラーメンで、豚骨醤油ベースのクリーミーなスープと中太麺を特徴とし、ほうれん草・チャーシュー・海苔で構成される。加えて、味の濃さ、スープの脂の量、麺のゆで加減、様々なトッピングなどを顧客が選べるカスタマイズ性の高さが特徴である。

ターゲットは、駅近エリアがサラリーマンや単身層で、ロードサイドエリアはファミリー層である。駅近エリアやロードサイドエリアいずれの店舗においても、チェーンストアとして標準化されたQSCA※を提供している。

※ 飲食店経営にとって重要な4つの要素であるQuality(品質)、Service(サービス)、Cleanliness(清潔)、Atmosphere(雰囲気)を指す。

横浜家系ラーメンは元来、街道沿いの立地を中心に発展したが、同社は出店範囲を駅近やロードサイドへ拡大した。また、トラックの運転手など限定的であった客層をQSCAの徹底により女性・ファミリー層へ拡大したことに加え、視認性の高い看板デザインやSNSマーケティングの成功が成長の源泉である。広告宣伝費を抑えつつ、高い集客力を実現した。投資額が大きく回収期間が長くなりやすいロードサイド店と、収益構造の異なる駅近店の双方で高い集客力を維持している点は同社の大きな特徴である。この高い立地適応力を生かし、現在はフードコートや駅ナカへの出店も強化している。

「豚山」は豚骨ベースの醤油スープに厚切りチャーシューを冠した“ガッツリ系”ラーメンであり、にんにくや野菜・背脂の量を顧客が選択できるカスタマイズ性が特徴である。同ブランドでは高い商品力を維持するため、同社のほかのブランドとは異なり例外的に「店内調理」を採用しており、調理工程には熟練したオペレーションスキルが要求される。「町田商店」とは原価構成やオペレーションが異なるものの、集客力は同等以上の水準にある。現在は多店舗展開を推進中であるが、人員育成を含めた高度な専門性を要することから、年間の出店数は10店舗程度にとどまっており、現時点での出店ペースは一定の範囲内に限定されている。

油そば「元祖油堂」は出店を加速させている。スープレスという特性上、調理工程やスキル面での制約が少なく、迅速な多店舗展開が可能である。中華麺用粉にパスタ粉を配合した独自の「油そば専用麺」や、無料のドリンクバーと締めのスープ、10種類以上の卓上調味料による“味変”の提案、女性顧客を意識した店舗設計などが幅広い客層の獲得に寄与している。「豚山」「元祖油堂」ともに、ロードサイドや商業施設など、多様な立地への出店を推進している。

(2) プロデュース事業部門
プロデュース事業部門では、直営店で培った繁盛店のノウハウやPB商品をプロデュース店へ提供している。具体的には、新規開業を予定している個人や法人オーナーとの間で「取引基本契約」を締結し、店舗の立ち上げから運営継続に至るまでのプロデュースサービスを提供する。そして店側は麺・タレ・スープ・チャーシューなど、同社のPB商品を継続的に購入する形態である。最大の特徴は、一般的なFCシステムで発生する保証金、加盟料、経営指導料(ロイヤリティ)、看板代が一切発生しない点にある。店舗設計、メニュー開発、仕入ルートの構築といったコンサルティングは原則無償で提供され、オーナー側はキッチン設備や什器備品を自ら調達する。また、同社の直営店とプロデュース店で屋号が異なることも、独自の柔軟な展開を可能にしている。店舗立ち上げ後も、食材の供給データに基づいた分析やオーナーの要請に応じ、継続的な経営支援を無償で実施している。

同社にとってプロデュース事業の展開は、PB商品の製造におけるスケールメリットの最大化だけでなく、チャネル形態や屋号を分散させることでチェーンストア特有の画一性を回避する効果もある。一方、プロデュース店のオーナーにとっては、店舗立ち上げ時からプロデュースサービスを受けられるため、外食経営の経験がないオーナーでも要望に沿った繁盛店づくりができる点にメリットがある。このためオーナーの出店意欲は高く、約半数のオーナーが複数店(平均5〜6店)を運営しているようだ。特に地盤の関東エリアでは、新規オーナーの加盟を断らなければならないほど、既存オーナーによる出店意欲が高いという。一方、西日本などその他のエリアでは新規オーナーを積極的に募集しており、全国展開に拍車をかけている。

(3) 海外展開
同社は「ラーメンを、世界への贈り物に。」を事業コンセプトに掲げ、2025年10月末現在、海外で36店舗を展開している。米国では「E.A.K. RAMEN」の屋号で直営店3店舗、RP店1店舗を運営しており、味や品質に加え、日本の「おもてなし教育」を通じて、質の高いサービス水準を維持している。中国では直営店3店舗を出店したが、カントリーリスクを考慮しながらも、さらなる店舗展開を進める方針である。そのほかベトナムやフィリピン、台湾などアジア(香港を含む)において、FC店16店舗、RP店12店舗を展開している。立地選定やサービス品質において信頼性の高い現地オーナーに運営を委ね、安定的な事業基盤を構築している。また、2025年はスイスに欧州1号店をJV方式により出店した。海外は中長期的な成長の柱として同社は重視しており、日本からマネージャー級の人材を派遣するほか、現地調達網の最適化を図るなど、海外における繁盛店の確立を進めている。引き続き出店を加速する計画であるが、特に中国及び欧州を、高い市場ポテンシャルを持つエリアとして注視している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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