*11:36JST ネクスグループ Research Memo(6):利益体質やキャッシュ・フローの増強に向けた先行投資が進捗
■ネクスグループ<6634>の業績動向
3. 財務状況及び経営指標
財務状況は、2025年11月期末の資産合計が前期末比128,771百万円増加し、134,712百万円となった。これは主に、Zaifの連結に伴う利用者暗号資産の増加によるもので、事業規模拡大を反映した構造的な変化である。一方で、のれんの減少や仕掛品の減少も見られ、M&A後の償却進行が確認される。内訳を見ると、流動資産が125,914百万円増加した。これは、仕掛品が511百万円減少した一方で、現金及び預金が322百万円、利用者暗号資産が119,308百万円、それぞれ増加したほか、預託金6,235百万を計上したことによる。固定資産は2,857百万円増加した。これは、のれんが478百万円減少した一方で、投資有価証券が3,272百万円増加したことによる。
負債合計は前期末比130,074百万円増加し、131,684百万円となった。負債についても、預り暗号資産の増加を主因として大きく拡大した。主に、製品保証引当金が12百万円減少した一方で、預り金が6,265百万円、預り暗号資産が119,308百万円、借入金が3,886百万円増加したことによる。なお、借入金残高は短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金残高の合計である。純資産合計は前期末比1,302百万円減少し、3,028百万円となった。主に、利益剰余金が1,037百万円減少した一方で、その他有価証券評価差額金が52百万円増加したことによる。
経営指標は、安全性を表す指標のうち、流動比率が前期末比108.0ポイント低下し100.8%となった。また、自己資本比率も同70.5ポイント低下し2.2%となった。これらは、ネクスデジタルグループ(旧 ZEDホールディングス)の子会社化に伴う、有利子負債の増加によるところが大きい。なお、暗号資産交換所事業の特性上、利用者預り資産を総額計上しているため、自己資本比率等の指標は一般的な事業会社と単純比較はできない点に留意が必要である。既に一定の売上高と営業利益を確保している企業を中心にM&Aで取得しており、今後の利益体質やキャッシュ・フローの増強に向けた先行投資が進捗していると、弊社では見ている。
祖業であるネクスをCAICA DIGITALに譲渡。成長分野への経営資源集中が進む
4. ネクスを株式交換により譲渡
同社は、2025年7月8日開催の取締役会において、連結子会社であるネクスをCAICA DIGITALへ株式交換により譲渡することを決議し、同日付で株式交換契約を締結した。この株式交換により、ネクスはCAICA DIGITALの完全子会社となり、同社の連結子会社から除外された。
同社は、2023年4月に策定した中期経営計画に基づき、主力事業をIoT関連事業からWeb3領域やデジタルコンテンツ事業などの成長分野へ転換する方針を掲げている。この方針の下、2025年2月には暗号資産交換業者であるZaifなどを傘下に持つネクスデジタルグループを子会社化するなど、成長分野に対する戦略的投資を継続的に実行してきた。一方、ネクスが手掛けるIoTデバイス製品(ハードウェア)の製造販売事業は、製品のコモディティ化や価格競争の激化により市場環境が年々厳しさを増しており、同社の成長領域との親和性も限定的と判断された。
ネクスのさらなる事業発展のためには、ソフトウェア領域に強みを持つCAICA DIGITALとの連携による製品力・競争力の強化が不可欠であると判断し、ネクスを譲渡することとした。CAICA DIGITALはシステム開発やWeb3関連技術に強みを有しており、ネクスのIoTハードウェア事業との間で技術的・事業的な強いシナジーが見込まれる。ネクスをCAICA DIGITALの傘下とすることで、製品の付加価値向上や新たな市場開拓を通じて、企業価値の一層の向上が期待される。
同社としては、譲渡対価としてCAICA DIGITALの株式を取得する予定であり、ネクスの成長がCAICA DIGITALの収益力強化、ひいては株価上昇につながるため、中長期的な投資リターンを享受できると考えている。この譲渡は、経営資源をWeb3領域やデジタルコンテンツ事業に集中させるという同社の経営戦略と整合し、間接的に株主価値の向上を実現するものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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3. 財務状況及び経営指標
財務状況は、2025年11月期末の資産合計が前期末比128,771百万円増加し、134,712百万円となった。これは主に、Zaifの連結に伴う利用者暗号資産の増加によるもので、事業規模拡大を反映した構造的な変化である。一方で、のれんの減少や仕掛品の減少も見られ、M&A後の償却進行が確認される。内訳を見ると、流動資産が125,914百万円増加した。これは、仕掛品が511百万円減少した一方で、現金及び預金が322百万円、利用者暗号資産が119,308百万円、それぞれ増加したほか、預託金6,235百万を計上したことによる。固定資産は2,857百万円増加した。これは、のれんが478百万円減少した一方で、投資有価証券が3,272百万円増加したことによる。
負債合計は前期末比130,074百万円増加し、131,684百万円となった。負債についても、預り暗号資産の増加を主因として大きく拡大した。主に、製品保証引当金が12百万円減少した一方で、預り金が6,265百万円、預り暗号資産が119,308百万円、借入金が3,886百万円増加したことによる。なお、借入金残高は短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金残高の合計である。純資産合計は前期末比1,302百万円減少し、3,028百万円となった。主に、利益剰余金が1,037百万円減少した一方で、その他有価証券評価差額金が52百万円増加したことによる。
経営指標は、安全性を表す指標のうち、流動比率が前期末比108.0ポイント低下し100.8%となった。また、自己資本比率も同70.5ポイント低下し2.2%となった。これらは、ネクスデジタルグループ(旧 ZEDホールディングス)の子会社化に伴う、有利子負債の増加によるところが大きい。なお、暗号資産交換所事業の特性上、利用者預り資産を総額計上しているため、自己資本比率等の指標は一般的な事業会社と単純比較はできない点に留意が必要である。既に一定の売上高と営業利益を確保している企業を中心にM&Aで取得しており、今後の利益体質やキャッシュ・フローの増強に向けた先行投資が進捗していると、弊社では見ている。
祖業であるネクスをCAICA DIGITALに譲渡。成長分野への経営資源集中が進む
4. ネクスを株式交換により譲渡
同社は、2025年7月8日開催の取締役会において、連結子会社であるネクスをCAICA DIGITALへ株式交換により譲渡することを決議し、同日付で株式交換契約を締結した。この株式交換により、ネクスはCAICA DIGITALの完全子会社となり、同社の連結子会社から除外された。
同社は、2023年4月に策定した中期経営計画に基づき、主力事業をIoT関連事業からWeb3領域やデジタルコンテンツ事業などの成長分野へ転換する方針を掲げている。この方針の下、2025年2月には暗号資産交換業者であるZaifなどを傘下に持つネクスデジタルグループを子会社化するなど、成長分野に対する戦略的投資を継続的に実行してきた。一方、ネクスが手掛けるIoTデバイス製品(ハードウェア)の製造販売事業は、製品のコモディティ化や価格競争の激化により市場環境が年々厳しさを増しており、同社の成長領域との親和性も限定的と判断された。
ネクスのさらなる事業発展のためには、ソフトウェア領域に強みを持つCAICA DIGITALとの連携による製品力・競争力の強化が不可欠であると判断し、ネクスを譲渡することとした。CAICA DIGITALはシステム開発やWeb3関連技術に強みを有しており、ネクスのIoTハードウェア事業との間で技術的・事業的な強いシナジーが見込まれる。ネクスをCAICA DIGITALの傘下とすることで、製品の付加価値向上や新たな市場開拓を通じて、企業価値の一層の向上が期待される。
同社としては、譲渡対価としてCAICA DIGITALの株式を取得する予定であり、ネクスの成長がCAICA DIGITALの収益力強化、ひいては株価上昇につながるため、中長期的な投資リターンを享受できると考えている。この譲渡は、経営資源をWeb3領域やデジタルコンテンツ事業に集中させるという同社の経営戦略と整合し、間接的に株主価値の向上を実現するものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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