カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人、増収増益で分配金予想超え 総分配金3,647円に上振れ

投稿:2026/02/27 13:00

2025年12月期(第17期)決算の概要

中村博信氏:カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人執行役員の中村です。平素は本投資法人に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。第17期の決算を迎えることができましたのも、ひとえに投資主のみなさまのご理解とご支援の賜物です。心より感謝申し上げます。

第17期(2025年12月期)の決算概要を、資料に基づきご説明します。当期の営業収益は47億8,000万円となり、当初の予想と比べて1億5,000万円の増収となりました。

費用面では、償却資産税や減価償却費の減少があった一方、一部管理費の増加などもありましたが、当期純利益は15億6,200万円と、期初予想比で1億7,500万円の上振れとなり、増収増益の決算となりました。

分配金については、第15期から利益超過分配を前提としない方針に移行しています。第17期では、利益の範囲内の分配として1口当たり3,638円となり、予想より408円の増額となりました。

最終的には、税務・会計計上の不一致に起因する調整で、利益超過分配金9円を含めた1口当たり総分配金は3,647円となり、予想より417円の増額となりました。

安定的なキャッシュ・フローを確保し、投資主のみなさまに予想を大きく上回るリターンを還元できたことは、本投資法人の資産の質の高さと安定した運営体制を示す証と自負しています。

第17期における営業収益についての分析

第17期の営業収益の内訳について補足します。このスライドでは、期初予想と実績を比較し、営業収益の主なプラス・マイナス要因を整理しています。

マイナス要因としては、当期も出力制御の影響がありましたが、予算比での逸失変動賃料は5,000万円にとどまりました。好調な発電量により十分にカバーされた結果となっています。

出力制御の影響については、引き続き予断を許さない状況ですが、第17期では比較的軽微な影響にとどまったと分析しています。

保有資産の発電量実績

発電量の実績です。第17期は全般的に天候に恵まれ、日射量もおおむね良好でした。特に7月は実績発電量が大幅に上振れしたこともあり、通期の実績発電量は予想発電量比で102.7パーセントとなりました。

保有資産の概要

保有資産の概要です。第17期は、新たに1物件を取得しました。その結果、期末時点での保有資産は、発電所の数が35物件、パネル出力合計が247.5メガワット、取得価格合計が1,020億4,000万円、評価価格合計が820億3,000万円となっています。

今後は、スポンサーからの案件取得に加え、外部の事業者が開発した案件の取得にも力を入れ、引き続き資産規模の拡大を目指していきます。

キャッシュマネジメント方針を踏まえた施策(資産取得)

第17期の主要トピックをご説明します。1点目は資産取得です。2025年11月に、CSつくば市高見原発電所を取得しました。これは上場インフラ投資法人として初めて、FIP制度とコーポレートPPAを組み合わせたスキームでの資産取得となります。

この新たなモデルは、従来のFIT制度(固定価格買取制度)に依拠しない、「Post-FIT」における持続的な成長を実現する先駆的な取組みです。「Post-FIT」を見据えた「VISION 2030」における新たな収益機会の開拓を象徴する案件と位置づけられます。

外部格付けの変更(格上げ)

2点目は、外部格付けの格上げです。当期の財務的成果として、日本格付研究所(JCR)では「A」から「A+」へ、格付投資情報センター(R&I)では「A-」から「A」へと、いずれも格上げを実現しました。これにより、有利な条件での資金調達が可能となり、さらなる外部成長に向けた盤石な基盤が整ったと考えています。

本投資法人に対する公開買付けの概要(1)

本投資法人にとって大きなマイルストーンとなった公開買付け(TOB)についてご報告します。

2025年6月30日に、ヒューリック株式会社による本投資法人の投資口に対する公開買付け(TOB)が公表されました。

今回の公開買付けは、ヒューリック社が本投資法人の資産価値やキャッシュフロー創出力に対して投資口価格が割安であると判断し、純投資目的で実施されたものです。

本投資法人に対する公開買付けの概要(2)

ヒューリック社のTOBの結果、同社の保有割合は13.99パーセントとなりました。今後、追加取得により保有比率を20パーセントまで引き上げ、持分法適用関連会社とする方針が示されています。

本投資法人に対する公開買付けの概要(3)

TOBに合わせて、ヒューリック社とサポート契約を締結しました。このサポート契約の詳しい内容はスライドに記載のとおりです。

具体的には、物件情報の相互提供、ウェアハウジング機能の強化、小売電気事業を通じた電力販売先の確保などが含まれます。

これらの取組みにより、本投資法人の外部・内部の成長機会の拡大や資産運用力の強化につながると認識しています。中長期的には、投資主のみなさまへの価値向上に大きく寄与するものと考えています。

本投資法人の中長期戦略・再エネ市場環境

中長期の視点に立った本投資法人の今後の運用戦略についてご説明します。

再生可能エネルギーを取り巻く環境は現在、大きな転換点を迎えています。本投資法人が上場した2017年当時は、2012年に始まったFIT制度の下で、比較的高い価格で電力を買い取ってもらえる「高FIT案件」が数多く市場に出ていました。主にそのような案件の取得を通じて、資産規模を拡大してきました。

一方で、運転開始から20年間というFIT制度の期間満了を待たずに、「Post-FIT」や「脱FIT」への移行が現実味を帯びており、それに対応した運用戦略へのシフトが必要となっています。

中期経営計画“VISION 2030”

本投資法人では、「Post-FIT時代」における継続的な成長・拡大を目的として、中期経営計画「VISION 2030」を策定しています。この計画は、2030年という1つの中間地点を見据え、投資主価値の向上を目指した取組みを体系的に進めていくものです。外部成長と内部成長の両輪を同時に活用することで、成長を継続させていきます。

外部成長については、スポンサー由来のパイプラインに加え、第三者開発案件の取得を加速させ、取得ルートの多様化を進めます。

内部成長については、「Post-FIT」を見据え、収益モデルの変革に取り組みます。具体的には、ポートフォリオの入れ替え、リパワリングの実施、蓄電池併設設備の導入、FIP転換などを通じて、FIT期間終了後も安定した収益を持続できる体制を構築します。また、コーポレートPPA市場の拡大を見据え、「FIP+コーポレートPPA」案件の取得や、既存案件のコーポレートPPA化に向けた体制整備も推進します。

定量的な目標として、資産規模3,000億円の達成、公募増資などに伴う資産取得時における1口当たり利益分配金(EPU)の3パーセント成長、クレジット格付AA格の取得を掲げています。上場インフラ投資法人として、永続的な運営体制の確立を目指します。

FITの20年間という制度的な区切りは、本投資法人にとって終わりではなく、新たなステージへの通過点です。「Post-FIT時代」における事業展開の方向性が、今後さらに重要なテーマになると考えています。上場しているインフラ投資法人の銘柄ごとの運用戦略の違いが、投資成果に大きな影響を与えると見ています。

本投資法人は、この変化をチャンスと捉え、将来にわたり持続可能なエネルギーインフラの運用と、投資主のみなさまへの安定的なリターンの還元の両立を目指します。

財務戦略・LTV、固定金利比率及び格付の状況

財務戦略についてです。本投資法人は、保守的な財務戦略のもと、強固な財務基盤を築いてきました。主要財務指標では、適正なLTV水準を維持しながらレバレッジ効果を活用し、高い固定金利比率を保つことで、安定的な財務基盤の構築を目指しています。

財務戦略・有利子負債の概要

現在の有利子負債の状況は、スライドのとおりです。10年のタームローンを基本とする銀行借入金を中心に、資本市場からの投資法人債の調達も織り交ぜ、バランスを取っています。

バンクフォーメーションは、三菱UFJ銀行、SBI新生銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行の4行を主要行とし、合計24金融機関からなる銀行団から支援をいただいています。今後も、盤石な資金調達体制の維持・強化に努めます。

サステナビリティに係る取組み(サステナビリティレポート)

サステナビリティへの取組みです。本投資法人は、2025年2月に目指す方向性を見直し、特に重要性の高いサステナビリティ項目(マテリアリティ)を見直しました。そして、今後の活動の目的を明確化するため、サステナビリティレポートを新たに発行しました。

さらに、将来的にはマテリアリティ項目に関するKPIを設定し、具体的な施策を実施することで、本投資法人が目指すゴールを明確にしていきます。

サステナビリティに係る取組み(UN PRI・TCFD・SFDR)

従来からの取組みとして、カナディアン・ソーラー・アセットマネジメントによる「国連責任投資原則(UN PRI)」への署名、本投資法人が上場インフラ投資法人として初めて実施した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に沿った開示、さらに上場インフラ投資法人として唯一、欧州における「サステナビリティ関連開示規則(SFDR)」に適合した開示を行っています。

サステナビリティに係る取組み(グリーンファイナンス)

このスライドでは、グリーンファイナンスへの取組みを記載しています。2025年7月には、エクイティを含むグリーンファイナンス・フレームワークの更新に伴い、引き続き最上位の評価である「Green1(F)」を取得しました。

翌3期の業績予想

最後に、今後の業績予想についてお話しします。すでに開始している第18期、第19期、第20期の業績予想の詳細は、スライドのとおりです。第15期に分配方針を見直して以降、利益超過分配金の継続的な実施を前提とせず、期初予想時点では原則として利益分配金のみを分配する方針としています。

今後も各発電所の健全な運営に注力し、盤石な運用ポートフォリオによる長期的かつ安定的なリターンの確保と、1口当たり利益分配金(EPU)の着実な成長を目指します。

以上で本日の決算説明会を終了します。ご清聴ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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