ドル円、157円台半ばまで一時上昇 イラン攻撃で有事のドル高=NY為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2026/03/03 06:44
ドル円、157円台半ばまで一時上昇 イラン攻撃で有事のドル高=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル高が強まりドル円は157円台半ばまで一時上昇。米、イスラエルによるイラン攻撃で週明けの金融市場では原油が急騰し、瞬間的に75ドル台に上昇する場面が見られた。

 その後、原油相場は伸び悩んだもののイランがサウジの製油所にドローン攻撃を仕掛けていることや、イランが米戦闘機を撃墜したと主張するなど、情勢は混とんとしている。一旦70ドルを割り込んでいた原油相場も再び上昇する中、為替市場は有事のドル高が強まった。

 今回の件を受けて短期金融市場ではFRBの年内利下げ観測が後退していることも、ドルを後押し。ストラテジストは「今回の原油急騰が持続し、最終的に米国のインフレ圧力を押し上げるのであれば、市場はFRBが利下げにより慎重になると考え始めた初期兆候だろう」と述べている。

 リスク回避姿勢の強まりもドル高を後押しした。イランの国家安全保障責任者が米国と交渉しないと発言したことを受け、トランプ大統領は、イランに対する爆撃は目標達成まで継続すると述べ、イラン指導部に降伏を求めた。4-5週間は続く可能性にも言及している。

 ドル円は、目先は2月初旬に上値を拒まれた158円が意識される。そこを突破した場合、テクニカル的には160円が再び視野に入る。日本の当局の介入も気掛かりなところではあるが、現状は中東情勢を見極めたい雰囲気なのではとの見方も出ている。

 ユーロドルは1.16ドル台に下落。ファンド勢がユーロドルの売りを活発に出している模様で1.16ドル台に下落。100日線が1.17ドルちょうど付近に来ており顔合わせしている。その下には200日線が1.1670ドル付近に来ている。

 短期金融市場でECBの利下げ見通しが完全に後退している。当面は据え置きとの見方が有力視されてはいたものの、先週までの短期金融市場では年内に30-50%までの利下げの確率を織り込んでいた。

 ストラテジストは、イラン情勢の悪化を受けて原油価格とドルが上昇する中、戦術的なユーロショートを推奨。「原油が現行水準、あるいはそれ以上に留まれば、交易条件の悪化となり、ここ1年眠っていた従来のドル相関が再び機能し始める」と指摘。また、「いまはウクライナ危機初期のプレーブックが再び持ち出され、為替や金利市場で活用される局面だ」とも述べている。下値目標は1.15ドルまたは1.14ドル、ストップは1.18ドルに設定。原油価格がさらに上昇すれば、より大きな下落となる可能性もあるとしている。

 ポンドドルは一旦1.33ドル台前半まで下落したものの買戻しも出て、1.34ドル台に戻した。本日は200日線と100日線を下回っており、1月の上昇を完全に帳消しにしている。きょうの下げでオプション市場では下値警戒感がさらに強まっており、1週間物は6月以来の弱気ムードとなっている。一方、ポンド円は円安の動きから211円近辺に上昇し、21日線の上を回復している。

 ストラテジストからは、年末までに1.24ドルまで下落するとの見方が出ている。本日は原油急騰で後退しているものの、英労働市場が依然として弱く、英中銀は予想以上に積極的に利下げを実施すると考えている。今年3回の利下げで政策金利が3.00%まで低下すると想定しており、これがポンドを圧迫すると見ている。

 また、政治的緊張も引き続きポンドの圧迫を予想。スターマー政権は年内に退陣するのではとの見方も根強い。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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