アーバネット Research Memo(6):2026年6月期中間期は大幅な増収増益。開発物件の積み上げも順調に拡大

配信元:フィスコ
投稿:2026/03/04 11:06
*11:06JST アーバネット Research Memo(6):2026年6月期中間期は大幅な増収増益。開発物件の積み上げも順調に拡大 ■アーバネットコーポレーション<3242>の業績動向

2. 2026年6月期中間期の業績概要
2026年6月期中間期の連結業績は、売上高は前年同期比180.0%増の22,304百万円、営業利益は3,258百万円(前年同期は100百万円の利益)、経常利益は2,842百万円(同232百万円の損失)、親会社株主に帰属する中間純利益は1,907百万円(同210百万円の損失)と大幅な増収増益及び黒字転換となり、通期計画に対してもハイペースで進捗した。なお、前年同期比で大幅な増収増益となった背景には、前期(2025年6月期)は都市型賃貸マンションの販売が第4四半期に集中したことも影響している。

「不動産事業」は、主力の都市型賃貸マンションをはじめ、すべての商品(アパート、テラスハウス、戸建等)が増収となった。国内経済が緩やかにインフレに向かうなか、インフレに強い資産である不動産への需要を背景に、とりわけ都心部の優良物件に対する引き合いは堅調のようだ※。都市型賃貸マンションは計画どおりの6棟310戸を主に国内ファンドへ販売した。また、前期よりグループ入りしたケーナインについては、アパート8戸、テラスハウス16戸、戸建7戸を販売したほか、用地売却3件等を行い計画を上回る進捗となった。一方、「ホテル事業」については、「ホテルアジール東京蒲田」の稼働率と客室単価が堅調に推移し、売上高は横ばいを確保した。

※ 不動産がインフレに強い理由として、一般的には、1) 実物資産として価格が上昇する、2) 物価上昇に連動して家賃も上昇する、3) 借入金の実質的な負担が軽減する、などが挙げられる。

利益面でも、建築費の高騰や人的資本投資(給与水準の引き上げ等)、ホテル事業での修繕費などがコスト要因となったものの、増収による収益の押し上げに加え、収益性の高い物件(都市型賃貸マンション)の寄与などにより大幅な増益となった。営業利益率も14.6%と高水準を確保した。

財政状態については、順調な用地取得やプロジェクトの進行により棚卸資産が大きく増加し、総資産は前期末比11.2%増の69,317百万円に拡大した。一方、自己資本も内部留保の積み増しや新株予約権の行使※に伴う新株発行により前期末比13.5%増の19,687百万円に増加し、自己資本比率は28.4%(前期は27.8%)に改善した。有利子負債残高(リース債務を除く)は長短合わせて前期末比11.1%増の46,177百万円に拡大したものの、短期の支払い能力を示す流動比率は399.3%、有利子負債全体に占める長期有利子負債の比率は72.9%と高い水準にあり、財務の安全性に懸念はない。

※ 2023年9月11日付で発行した新株予約権(合計62,000個)のうち残りの20,000個(約9億円の資金調達)が行使され、2025年9月9日をもってすべての行使が完了した。資金調達の総額は約25億円となり、当初予定どおり、事業用地の取得費用や工事代金、M&A資金などに充当された。

キャッシュ・フローの状況についても、営業キャッシュ・フローが順調な棚卸資産の積み上げに伴いマイナスとなったほか、投資キャッシュ・フローも有形固定資産の増加や子会社株式の取得※等によりマイナスとなった。一方、財務キャッシュ・フローはプロジェクト資金の調達及びシンジケーション契約締結に基づく長期借入金、新株予約権の行使に伴う新株発行等によりプラスを確保し、それらの結果、期末の現金及び現金同等物残高は前期末比19.1%増の13,581百万円に増加した。

※ ケーナイン株式取得に係る追加支払い分(アーンアウト条項に基づくもの)。

3. パイプラインの状況
順調な用地取得に伴い、2025年12月末のパイプラインは下期販売予定分を除いて約1,600戸を超える水準(弊社推定)を確保しているようだ。これにより、2028年12月期を最終年度とする中期経営計画の達成も十分に視野に入ってきたと言える。厳しい仕入環境が続くなか、ここ数年取り組んできた人財育成が軌道に乗り、キャリア採用との相互作用が機能していることが、この成果につながっている。また、都市型賃貸マンション以外でも、「赤坂プロジェクト」(ホテル開発用地)や「旧軽井沢愛宕山プロジェクト」(富裕層向けタイムシェア別荘用地)といったプロジェクトが進行中である。さらに、ケーナインが展開するテラスハウスや戸建及びアパートの開発用地も順調に取得できている。

4. 2026年6月期中間期の総括
2026年6月期中間期を総括すると、順調に拡大した業績面はもちろん、2027年6月期以降の事業拡大に向けたパイプラインの積み上げや新規事業の取り組みなどでも成果を上げることができた。したがって、中期経営計画の初年度として、上々のスタートを切ったと評価しても良いであろう。特に三井不動産投資顧問とのパイプライン・サポート基本協定の締結(詳細は後述)は、安定的な販売先の確保という面だけでなく、同社開発物件に対するクオリティ評価の高さを実証するものとして注目に値する。また、与信面でのシナジーが発揮され、順調に事業が拡大しているケーナインについても、新たな成長の軸(事業の幅の広がり)として期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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