２５日の東京株式市場は主力株を軸に利益確定売り圧力が意識されるなか、３万８０００円台後半で一進一退の地合いとなることが予想される。前日は世界的にリスクオフの巻き戻しの動きが顕在化し、東京市場だけではなくアジア各国や欧州、米国など軒並み上昇する展開だったが、きょうはそれが一巡する形で目先筋の利食いが表面化し上値を押さえそうだ。前日の欧州株市場では全面高様相となり、ここ最近調整色を示していたドイツの主要株価指数であるＤＡＸも１．６％高と大きく切り返した。イスラエルとイランが停戦に合意したとトランプ米大統領が発表したことを受け市場センチメントが改善し、空売りの買い戻しや押し目買いを呼び込んだ。特に原油市況の大幅下落が欧州経済にプラス効果をもたらすとの見方が投資家心理を強気に傾けている。米国株市場でも欧州時間のリスク選好ムードを引き継ぎハイテクセクター中心に買いが流入し、ＮＹダウ、ナスダック総合株価指数いずれも上昇した。トランプ氏が停戦を発表した後もイスラエルはイランが停戦合意を破ったと主張するなど交戦を続ける構えをみせたが、トランプ氏はネタニヤフ首相に攻撃をやめるように要請するなどこれを収める方向で動いており、中東情勢が沈静化することへの期待がリスク選好の地合いを後押しした。他方、パウエルＦＲＢ議長が米連邦議会下院で議会証言を行い、早期利下げには改めて慎重な姿勢を明示したが、年内の利下げの可能性を否定しなかったことで株式市場はこれを嫌気する動きとはならなかった。欧米株市場が全面高に買われたことで東京市場でも強気優勢の展開が期待されるものの、日経平均は欧米株高に先立って前日に４００円を超える上昇をみせていたことから、きょうはその分だけ上値は重くなりそうだ。外国為替市場で円高方向に振れており、これも買い手控え要因となりやすい。

　２４日の米国株式市場では、ＮＹダウ平均株価が前営業日比５０７ドル２４セント高の４万３０８９ドル０２セントと３日続伸。ナスダック総合株価指数は同２８１．５５ポイント高の１万９９１２．５３だった。

　日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の「主な意見」（６月開催分）、５月の企業向けサービス価格指数、４月の景気動向指数の改定値、５月の外食売上高など。海外では５月の米新築住宅販売件数、米５年物国債の入札など。

出所：MINKABU PRESS